東京国立博物館で開催されている
特別展「名作誕生-つながる日本美術」に行ってきました!
そういう展覧会をやっていること自体、
気づいていなかったのですが、
このツイートで知りました。
https://twitter.com/zaikabou/status/991907371734654976
へっーと思って、ちょっと調べてみたら、
なんとなんと!
長谷川等伯の「松林図屛風」が展示されているとのこと!
で、5月6日までの展示で、その後は別の作品と入れ替えになるとのこと。
公式サイト
http://meisaku2018.jp/index.html
知ったのが昨日、5月3日の夜。
忙しくて、とても展覧会に行っている時間はないのですが、
「松林図屛風」と聞いては、いてもたってもいられず、
急遽、決心して、
今朝早く起きて、会館前の9時15分にはもう東京国立博物館に駆けつけました。
すでに行列ができていましたが、まあ、ずっと待たされるほどではなく、開館と同時に中に入りました。
でも、当然、入り口あたりは混んでいますから、
こういうことは、本当はあまりよくありませんが、
最初のほうの展示を見るのは後回しにして、
ひとりで、どんどんどんどん先のほうに行き、
さらにどんどん先に進んでいき、
後半の最後のほうの「松林図屛風」の前まで、まず行きました。
さすがにまだ誰も来ておらず、
「松林図屛風」を独り占め。
この絵はある程度離れたところから見ないといけないので、
混雑すると、とても見づらいです。
また、その世界に入っていくことが大切なので、
わいわいしていると、難しいです。
「松林図屛風」は以前に、一度だけ見たことがあるのですが、
とにかく、びっくりしました。
展覧会で実物を見てよかったナンバー1です。
画集などで見るのと実物がちがっていたナンバー1でもあります。
実際、この絵は、画集で見ても、ほとんど何の意味もありません。
実物でないと、この感動はありません。
ちなみに、画像を掲載しておくと、こういう絵です。
しょぼく見えるでしょうが、これがいいんです!
その前からずっと離れられなくなるほどの感動を覚えたのは、この絵だけかもしれません。
それくらいの絵なので、今回も、無理を押して駆けつけたのですが、
恋い焦がれた絵の前に立ってみると、
「あれ……?」
ぜんぜん感動しないのです。
「あれ? こんなだったかな……」
私の感性が鈍ったのか、展示の仕方がよくないのか、それとも期待しすぎてしまったせいなのか。
いろいろ原因を考えながら、首を傾げていました。
しかし、しばらくそこにいて、近くに展示されている他の絵も見たりしていたら、
だんだん感覚が戻ってきました。
「松林図屛風」を見つめているうちに、
自分がその世界に入っていくような、
靄のひんやりした冷気が流れ出してきたのを感じるような。
「これこれ!」という感じです。
やっぱり名品でした。
じっくり堪能したつもりでも、
いざ立ち去ろうとすると、立ち去りがたく、
また戻ってしまいます。
自分の家に高い絵を置きたいとかいう欲望はないのですが、
この屏風だけは欲しくなります。
これを置いて、その前にずっといられたら、どんなにいいか。
それにしても、最初の無感動は恐ろしい体験でした。
原因は、私の感性の問題でした。
すっかりさびついて、動き出すまでに時間がかかってしまったのでした。
このところ、忙しさにかまけて、あまりアートにふれていませんでした。
やっぱり、感性は磨かないと、すぐに衰えてしまうものなのかもしれません。
無感動な目で見てしまうと、これほどの名品でも、
「ふーん」てなものです。
前は自然と作品に入り込んでいったのに、
今回は努力が必要で、悲しかったです……。
スポーツ選手だって、ちょっと休むと、取り戻すのに大変だと言いますし、
絵の鑑賞だって、そういうところはあるのでしょう。
なお、他にも、
長谷川等伯の「山水松林架橋図襖」があって、
私は今回、初めて見たのですか、
じつに素晴らしかったです!!!
来てよかった!としみじみ思いました。
びっくり級の名品です。
他にも、
俵屋宗達の絵、本阿弥光悦の書による「蓮下絵和歌巻断簡」もよかったです。
あと、雪舟の
「破墨山水図」
「倣玉澗山水図」
「潑墨山水図」
も素晴らしかった!
伊藤若冲の
「白鳥図」の羽根の輝きはやっぱり凄いし、
「鶏図押絵貼屏風」のニワトリの生き生きしていること!
これは着物ですが、
「縫箔 紅白段短冊八橋雪持柳模様」もよかったです!
伝顔輝の「寒山拾得図」と、
岸田劉生の「野童女」の関連も知らなかったので、
これはびっくりしました。
かねて、麗子の絵の顔をこわい感じていたのですが(お叱りがあるかもしれませんが……)、
どういしてこういう顔なのか、
その理由がはじめてわかりました。
というわけで、非常に盛り沢山の展覧会です。
GW中でも激混みではありません。
「松林図屛風」の展示は5月6日(日)まで。
つまり、明後日まで!
少しでもご興味のある方は、行っておいたほうがいいと思います!
超オススメ!
なお、後期には、俵屋宗達の「蔦細道図屏風」が展示されるようなので、もう一回、なんとか時間を作って、行きたいと思っています。