ブログでご紹介いただきました!田中真知さん、橘世理さん、佐藤守徳さん他の皆様 | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

作家・翻訳家・科学ライターの田中真知さんが、
ブログで取り上げてくださいました!

「希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話」のこと

とても長く丁寧にご紹介くださっていて(装丁のことまで写真入りで!)、
嬉しい言葉がたくさんあります。
ほんの一部だけ引用を。

「カフカの底なしのネガティブぶりには、なにか気持ちよさすら感じる。
 希望があるふりをするより、絶望をつきつめたほうが、
 かえって気持ちがゆるみ、生きる力が湧いてくるという逆説。
 それが絶望名人カフカの教え?だ」

「絶望しつづけて40で無名で死んでしまったカフカに、
 若くして名声をえて、なにをやってもうくまいき、
 生きていることをだれよりも楽しみ、
 70過ぎて10代の少女に熱烈な恋をして
 82まで生きたゲーテをぶつけたのだから、
 おもしろくないわけない」

「ゲーテの希望とカフカの絶望は対立する概念ではなく、
 じつのところ表裏一体なのかもしれない。
 希望を支えているのが絶望であり、
 絶望を支えているのが希望なのではないか。
 そんなことを思った」

「あるときゲーテは
『人生に当たりくじはわずかで、ほとんどは空くじです。空くじをひいたらどうします?』
 と聞かれて、
『わたしが空くじをひくようなヘマをするとお考えですか』と答えた。
 カフカだったら・・・いわずもがなだろう」

「ゲーテとカフカの対比というのは、
 いろんなテーマを含んでいて、あれこれ考えさせられることが多い。
 なんといっても、2人とも昔の作家なんだけど、
 ポジティブとネガティブという、いまなおひとを翻弄してやまない生きる姿勢について、
 いろいろためになることを教えられる」

「カフカやゲーテの作品をこれから読もうという人にとっては、
 これほど楽しくて、深いガイドブックは、ほかにないだろう」

この田中真知さんという方は、
私はつねづね尊敬しているのですが、
海外の危険な地域にまでどんどん出かけておられて、
たとえば、このブログなど、本当にびっくりしました。

キンシャサで拉致されかける

深い谷に、タイヤの幅くらいの板を2本渡して、
その上をジープで渡っておられる写真などには、
本当に度肝を抜かれました。
そういう方が、
『絶望名人カフカの人生論』や『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』に
ご興味を持ってくださるというのは、
とても意外でしたが、とても嬉しい意外さです。

この「王様の耳そうじ」という田中さんのブログは、
いつもとても興味深いので、オスススです。

……

児童文学・YA文学などの作家、橘 世理さんも、ブログでご紹介くださいました!

ゲーテとカフカの名言のぬくもり

一部、引用を。

「ゲーテとカフカ、
 それぞれの言葉を日記や手紙の中から探し出し、
 見出し事にまとめ対比させていく、それだけではなく、
 その名言から受け取れるものを
 さらに噛み砕いて解説してくれています」

「この本、読んでいて気がついたのですが、
 同じ言葉を読んでも、昨日と今日では感じ方が違うのです。
 同じゲーテの言葉でも受け取り方が変わるのです。
 そうか、私の気持ちが変わるからかぁと思いました」

「自分がいつも手にしない本の分野に手を伸ばすのは、
 結構、勇気の入るものですよね。
 ちょっと冒険してみたいけど、
 どんな本読めばいいのかわからん。
 と思っている方に丁度良い本だと思います」

ありがたいお言葉です。

今回の『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』の中に書きましたが、
カフカも少女に向けて、児童文学を書いています。
その原稿はまだ発見されていませんが、
カフカの児童文学もきっと素晴らしいものだったろうと思います。

……

書き手の佐藤守徳さんも、ブログでご紹介くださいました!

頭木弘樹『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』を読む

なんと、『「逮捕+終わり」-『訴訟』より』という、
私の1冊目の本まで読んでくださっていて、
これまでの3冊をまとめて評論してくださっています。

一部、引用を。

「私はこの本によって、
 薄々自分で考えていたカフカ観や小説に対する思いが
 ずばりと言い切られていることに
 大いに感動したことを今も忘れることが出来ません」

「それは短文であり断片の集積として書かれています。
 断片のコメントを集めたようである反面、
 この形式は長文とちがって、
 一気に本題へと入っていく形式になっています」

「このベクトルの反対によってしか書き出せないというのが
 頭木さんの文体かもしれないのです。
 この文体こそが類例のない新しい本を生み出しました」


私について論じていただくなど、
本当に身に余ることです。

……

この他にも、
いろいろな方にブログでご紹介いただきました。
誠にありがとうございます<(_ _)>

料理を作った人というのは、
食べた人が「おいしかったね」と話しているのが聞こえてきたとき、
いちばん喜びを感じるのではないでしょうか。

本も同じことで、
面白かったとブログなどで書いていただけることほど、
嬉しいことはありません。
心より御礼申し上げます。