手元に届きました!
この包みを開けるときというのは、
もう、どきどきとわくわくです。
原稿を書き始めてから2年半、
感慨深いです。

画像で見ていたときより、
色がとてもキレイでした。
といっても、ここには画像しか載せられないので、伝わりませんが。
手にとった感じも、やわらかで、でもしっかりしていて、
手になじむ感じがとて気に入りました。
背表紙はこうなっています。

小口はこうなっています。
全体にグレーになっていて、
上半分と下半分で濃さがちがいます。

そして、
いちばん最初の画像は帯のついた状態で、
下が帯をとった状態です。

これ、上が半分が白、下半分が黒に塗ってあるように見えますが、
じつはそうではありません!
下半分の黒の部分は、じつはこんなふうにめくることができます!

さらにこんなふうになります。

じつは、カバーを広げると、
1枚の大きなポスターになます。
そして、
表は白地にイラスト、
裏は黒地にイラストが入っています。
イラストは、100%ORANGEさんです!
私のカメラではうまく写真を撮れなかったので、
原画の画像ですが、
こちらが「ゲーテ界」のイラストです。
(一部しか見えていないので、クリックしてご覧ください)

こちらが「カフカ界」のイラストです。
(一部しか見えていないので、クリックしてご覧ください)

この画像が届いたときには、びっくりしました。
大変な迫力です!
これは間違いなく100%ORANGEさんのファンの方々にも買っていただけるので、
私にとっては、大変トクな装丁です(笑)
これを折って、上半分白、下半分黒の表紙にしてあるのです。
こんな装丁は初めてで、びっくりしました。
ブックデザインは、大島依提亜さんです。
担当の編集者Sさんと、大島さんが打ち合わせをされて、
こういうデザインにという説明を受けたのですが、
正直、実際にはどんな感じになるのかよくわかりませんでした。
なおさら、今日届くのが待ち遠しかったのですが、
これは面白いですね!
大島依提亜さんのファンの方も、見逃せませんよ!
さらに、さすがは大島さんという、細部へのこだわりも素晴らしいです。
上製本には中身の背の上下に花布(はなぎれ)がつくのですが、
それが、上は白で、

下は黒になっています。

気づく人しか気づかないかもしれませんが、
こういう細部へのこだわりがたまりません。
なぜ、こんなに黒と白の対比にこだわって作ってあるかと言うと、
今回は、
ゲーテとカフカの対比の本だからです。
そのことを、デザイン全体でも、表してくださっているのです。
ですから、中身もこんなふうになっています。

ゲーテは白、カフカは黒です。
これは名言の見開きで、
これを開くと、次は解説の見開きになっていて、
それぞれの言葉がいつどんな状況で言われたものなのかとか、
それにまつわるゲーテやカフカのエンソードなどを紹介してあります。
解説のページも白と黒になっています。
この本の校正のPDFが届いたとき、自宅でプリントアウトしたのですが、
黒のインクのカートリッジがいっぺんに5本くらいなくなって、
びっくりしました(笑)
でも、黒字に白文字って、目にはいいし、読みやすいんですよね。
そして、栞紐(しおりひも)もついているんですが、
これも白と黒と2本ついています。
どこまでも行き届いていて、驚きます。

ここまですごい装丁だと、
そうとうコストがかかりそうですが、
そのせいで本が高くなっているということはありません。
本体価格1500円+税です。
前書より少し高くなっていますが、
それはページ数が増えたためです。
(それでも、最初は約800ページになったのを、
約300ページまで縮めたので、ご容赦ください)
編集のSさんが、やりくりしてくださったわけですが、
まったく不思議です。
私は本の装丁というのが大好きで、
珍しい装丁や、面白い装丁や、美しい装丁などを、
少し集めたりもしています。
木の板が表紙とか、金属の表紙とか、穴が空いているとか、
いろんなものがあります。
しかし、やっぱり、いい装丁というのは、
見ただけでそれがどういう本か伝わるような、
中身を外見でも見事に表現していて、
なおかつ、テザインとしてもすぐれていて、
真剣でありながら、どこか遊びもあり、
全体として、想像を超えたところがあるものではないかと、
そんなふうに思います。
今回、自分が編訳した本が、
そういう見事な装丁の本になり、
なんとも幸せです(T.T)
大島依提亜さん、100%ORANGEさん、担当の編集者Sさん、
そして関係者の皆様に、
あらためて御礼申し上げます。
なんだか思い入れたっぷりの内容になりましたが(^^ゞ
そういう次第で、
面白い装丁になっているので、
ぜひご覧になってみてください!
一見の価値はありますよ(^^)
追記:
考えてみると、この装丁、
帯のかかった状態では、
まったくわからないので、
店頭では気づかない人がほとんどだと思います。
うーん、もったいない。
あえてわからないようにしてあるところが、
デザインの粋というものなのでしょうか。
書店の店頭で説明したくなります(笑)
追記:
私の写真よりも、
デザイナーの大島依提亜さんや、
イラストレーターの100%オレンジさんが
撮ってくださった写真のほうがキレイなので、
リンクさせていただきます。
超絶面白本『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』(頭木弘樹さん編訳)装丁してます……
『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』編訳・頭木弘樹(飛鳥新社)のイラストをかきました……
広げるとこんなふう
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