森田童子に続き、
さだましさの病棟ものの曲を聴き、
悲しい曲にひたりきったおかげで、
かなり気分的に立ち直ってきました。
不思議なものです。
20歳で難病で入院したとき、
病棟で私がいちばん若い患者で、
あとは中年以上の人ばかりでした。
「この若さで……」と、
自分ほど不幸な人間はいないように気になりました。
でも、夜になると、小児病棟から、
子供の泣き声が聞こえてきます。
小さな子供も入院しています。
赤ちゃんさえ入院しています。
自分がいちばん若いどころではないのです。
なぜ人は病気になるのか。
なぜ苦しまなければならない人と、
苦しまなくていい人がいるのか。
いろいろ考えさせられました。
小児病棟からの泣き声は、
そして時たまの楽しそうな笑い声も、
胸に迫るものがありました。
私も入院中に、
おばあさんと仲良くなりました。
普通なら、そういうことはなかったでしょうが、
病院というのは、
みんな病気と戦っていて、
倒れる人もいるという、
一種の戦場めいたところがあって、
戦友のような不思議な友情が芽生えることがあります。
年齢も性別もこえて。
家族にも恥ずかしくてどうしても頼めないという
オムツを、売店で買ってきてほしいと頼まれたとき、
なんだか、とても強い友情を感じました。
とてもかわいいおばあさんでした。