「幸福」というのはどれだけ広い意味を持つ言葉なのだろう。
同じ事でも幸福と取る人も居れば、正反対に取る人も居る。
もう、幸福という言葉を定義するのは不可能のように思えた。
しかし、幸福の外側にあるものは不幸と言ってもよさそうだ。
離別・病気・いじめ等は殆どの人にとって不幸と言えるからだ。
幼子が、グリーンピースを避けてからチャーハンを食べ出すように、
私は世の中の出来事から不幸を取り除いたものを幸福として、
改めてそれを眺めてみることにした。
すると不思議な事が起こった。
幸福の中からじわじわと、不幸が現れ始めたのだ。
それは新たに発生したのではなく、転じて行った様に見えた。
結果的に幸福というのは、ある部分を取り除くことで観察できるものではなかった。
言葉というのは生き物である。
私は、ためらいつつも、これを結論として受け入れることにした。
冷めないうちにチャーハンを食べることの方が大事な気がしたのだ。