韓国人の友人は75年生まれ。今までに何度もお見合いをしたり、ソゲッティング(=紹介ting<韓製英語>いわゆる紹介。意味はお見合いと同じだが、お見合いよりもちょっとカジュアルな感じ)をしているのだが、自分に見合ったというか、この人!!といった男性に出会わないそうだ。
そんな友人からは度々、「誰かいい人がいたら紹介して」と言われていたのだが、結婚を前提とした男女に気軽な気持ちで紹介することができなかった。というよりも、異性の友人がほぼ皆無の私には、周りに紹介するような男性(彼女に見合いそうな男性)がいなかったと言った方が正しいだろう。
先日、一緒に翻訳の仕事をしていたHさんが我が家に泊まりに来た。ひょんなことから、友人とHさんの弟さんを会わせてみてはどうだろう?と思った。私は弟さんとは会ったことがないのだが、HさんやHさんの旦那さんであるKさんからよく話は聞いていた。以前、Hさんの旦那さんであるKさんが「Cさん(私)が結婚していなかったら、ぜひ義弟を紹介したかったのになぁ。義弟は本当にいい奴なんだよ。一押しの男だね」と仰っていた。私はKさんを信頼しているので、Kさんが『いい男』と太鼓判を押しているのならば、きっとそうに違いないと思った。
Hさんに友人のことを話してみると、Hさんも話に乗ってきた。Hさんの弟さんも、結婚したいが相手がいないと嘆いているそうだ。それに弟さんは私と同じ74年生まれ。歳もいい感じである。
早速、私は友人に、Hさんは弟さんに連絡をとった。Hさんと私は「2人がうまくいくといいね」と話していた。その数日後、2人は会うことになった。
2人が会った翌日、友人から電話があった。
私 「どうだった?」
友 「ダメだった…。」
私 「えっ、何で?何か気にいらないことでもあったの?」
友 「職業が…。○○ランド(韓国の大型家電チェーン店)の販売員だって。」
私 「うん、知ってるよ。えっ、彼の職業が気に入らないの?人柄は良かったでしょう?」
友 「うん、人柄は良かったけれど、やっぱり販売員は嫌だわ。」
私 「…。彼、マネージャーだって聞いたけど。」
友 「マネージャーでも販売員には変わらないでしょう。」
私 「そっかー…。」
友 「それに彼の家、あまり裕福そうじゃないし。」
私 「でも、貧乏でもないでしょう。お兄さんは独立して事業しているっていう話だし、Hさんだって3軒も不動産活用してるし。そのうちの一軒は弟さんからお金借りてるって話だよ。」
友 「といっても、数千万ウォン(数百万円)でしょう。」
私 「もう会わないの?」
友 「うん、会うつもりはない。やっぱり職業がね…。」
なんか凄くショックだった。友人は職業や、バックグラウンドやお金で結婚相手を選ぶような人じゃないと思っていたからだ。
前に旦那が言っていたことを思い出した。「彼女は、案外野心家だよ。お金大好きだね。」
私は、彼女はそんな人間じゃないと反論した。
私には分からない。相手の職業がそんなに大事なのだろうか?ちゃんと真面目に働いていたらいいのではないだろうか?相手の実家が金持ちか否かが大事だろうか?私は、もちろん借金があったりしたら嫌だけど、そこそこの生活が送れているのならば、別に裕福じゃなくても構わない。
でも、やっぱり20代で結婚後のことなんかよく考えもせずに恋愛結婚した私と、30代でお見合いしながら結婚相手を厳選している友人とでは立場が全然違うのは当たり前だ。うちの場合、当時私は27歳、旦那は22歳だったから、経済的な面では未来の彼を信じるしかなかった。当時、旦那の貯金は殆どデート代につぎ込んでしまって、ろくに残ってなかったし(でも、英語の先生のバイトをしていたので、どうにかそれなりの生活は送れていた。あと、当時の旦那の生き様と夢に感動した一企業の社長が旦那のパトロンとして生活費を支援してくれていたので。私と付き合っていることがバレちゃってからは(女にうつつを抜かしやがって真面目に勉強もしてないのかっっ!と)、即効支援が打ち切られてしまったが…。)、結婚してからデンマークに戻って大学に入学することになっていたから、少なくとも旦那が大学を卒業してから1、2年までは苦労することは目に見えていた。だからこそ、うちの両親は私たちの結婚を猛反対していた。でも、私は中学卒業後、親から独立してバイトをしながら一人暮らしをしてきた旦那を、留学資金を1年半もの間、郵便配達をして貯めてきた旦那を知っていた。それに、私の方が明らかに所持金は多かったが、デート代は私よりも旦那の方が負担していたし、同棲を始めてからも家賃も半々、生活費も半々にしていた。だから、若かったけれど旦那を信用できたし、何度も何度も両親を説得したのだった。当時の旦那はまだ親のすねをかじっていてもおかしくはない年齢だったが、もし、本当に親のすねをかじっているような人だったら、やはり親を説得するのは難しかったかもしれない。
20代前半の男性と30代半ばの男性に求める条件が違うのは当たり前のことだと思う。それに、結婚のことなんか考えずに恋愛し、ただ『この人と一緒にいたい』という気持ちだけで結婚してしまった私と、これから結婚を前提にお付き合いする人を厳選する友人とは、当然のように相手に求める条件は違うであろう。
でもやっぱり、経済&職業面だけでいうならば、真面目に正社員として働いているならばいいんじゃないかと思ってしまう。職業がどうあれ、酒やギャンブルに狂っていたり、借金を抱えていたり、あまりにも転職歴が多くなければいいんじゃないかと…。私の考えが甘いのかな?
私は今もっている財産や職業よりも大事なのは、その人が逆境に強くて、臨機応変で、何事にも前向きで、能力を備えていることだと思う。人格面でいうならば、やっぱり誠実で、優しくて、理解力のある人!?でも、ハッキリ言って、私はお金よりも雰囲気やオーラやルックスの方が大事。だって、雰囲気やオーラや顔に、その人の内面から生活態度などすべてが現われていると思うから。
結婚相手を見つけるのは彼女。それぞれ好みも違うし、男を見る目も違うし、相手に求める条件も違う。私が余計な口出しをする必要はない。(だから思いのたけをブログに書いているんだけどね。)もし私が今独身で、お見合いをしている身だったら一体どうなんだろう?と考える事ほど無意味なことはないとは分かっていても考えてしまうのであった。