息子ももう9ヶ月になった。最初の3ヶ月はスローに時が流れていたが、その後はあっという間に時が流れていっているような気がする。


8ヶ月の半ば、突然息子が離乳食を食べなくなった。食べてもスプーン3、4口で『もう、いらないっ』と口を固く閉じ、顔を背ける。それでも無理にあげようとすると、手でスプーンを叩く。息子の手がいつもスプーンに見事ヒットし、離乳食は悲しくもテーブルや床にべチャッとこぼれる羽目になる。


ただでなくても小柄な息子、最近母乳の出も悪いようだし、どうにか食べさせんとっっ!!と、私は焦り、あらゆる手を尽くした。変な顔をしたり、声を出したりして笑わせ、息子が口を開けた瞬間にスプーンを突っ込んだり、歌を歌って、息子の機嫌をとったり、おもちゃで気を引いたり、私の膝の上に座らせて食べさせたり、立たせて食べさせたり…、それはもうありとあらゆる手を尽くしたのであった。


しかし、私の作戦はどれも失敗に終わる。みるみるうちに体重が減っていく息子。


これはマズいと思って、粉ミルクを与えてみたのだが、これもダメ。哺乳瓶でダメだったので、いつも使っているストローマグであげてみたが、それもダメ。結局、粉ミルクの味がダメだったようだ。


次に赤ちゃん用豆乳をあげてみた。これは今も頑張っているのだが、少しずつ飲んでくれるようになった。といっても、飲んでも一日で10mlくらいだけど…。これって飲んでいるうちに入らない、よね!?


唯一、バナナはよく食べてくれたので、とにかくバナナと母乳をメインに与え続けた。


そんな日々が2週間続き、私はもうあきらめモードに入っていた。


ある日の朝、私が息子を隣の赤ちゃん椅子に座らせ、一人で食事を取っていたら、息子が私の箸をジィ~っと見つめているではないか。『これはもしや、奴も箸で食べたいのではないか?』と思い、息子が食べ残した離乳食を箸でつまんで、彼の口に運んでみた。


すると、驚くことに、さっきまで固く口を結んでいた息子が大きく口を開け、パクッと離乳食を食べたではないかっっっ!!私は思わず、キャーやった~!!と大喜びしてしまった。あまりに嬉しくて、拍手&万歳三唱をしてしまったほどだ。


結局、そのまま箸であげ続けたら、用意した離乳食を完食クラッカー夢の完食である合格


ちょっと待って。原因は箸!?2週間も頑なに食事を拒否し続けたのは…箸で食べたかったからなのかいっっ爆弾頑固な奴め…。先が思いやられるわ。


箸…。原因が分かって一件落着といきたいところだが、私にとって、箸で食べさせることは簡単なことではないのだ。何を隠そう、この私は両親&親戚一同に『そんな箸使いじゃお嫁になんか行けない』と太鼓判を押された人間である。


そう、箸が大の苦手。箸の持ち方も間違っているし。丼もの(特に親子丼や漬け丼やお茶漬け)や豆腐は、許される限りスプーンで食べますから!


だから、外国人と結婚したのさ。半ば本気の話である。それにここ韓国ではスプーンがメインだしねっビックリマーク


さて、現在どうやって食事を与えているのかというと、まず赤ちゃん用スプーン小を息子に与える。(お遊び用)そして、私の箸で食べさせる。箸でつまむのが困難なスープものなどはスプーン中で与えるといったところである。つまり、息子の食卓にはいつも私の箸と、スプーン中、小が一つずつ並ぶのである。


息子のお陰で、箸使いが日々上達していっている34歳の私であった。