昨年の夏、デンマークに住む日本人の友人が娘さんと一緒に韓国に訪れた。その時、彼女が「韓国人って子供好きなのかな?子供に優しいっていうか」と話していたのを最近思い出した。
彼女の話によると、日本と韓国では子供に対する態度がかなり違うようだ。韓国で子供を連れていると、例えば「まあ、可愛い子ね。いくつ?」など話しかけられることが多いが、日本では話しかけられることが殆どないそうだ。韓国よりもずっと個人主義の日本では、子連れに無関心な人が多いのだろう。逆に、話しかけられたくないと思っている親御さんも多いに違いない。
私はまだ日本で子連れを体験していないのではっきりとは言えないが、確かに韓国人は子供好きな人が多いような気がする。そして、それを表に出すというか。
先日、気になることがあって小児科に息子を連れて行った時のこと。待合室で待っていたら、うちの息子と同じくらいのお孫さんを連れたお婆さんから話しかけられた。お婆さんといってもまだ50代くらいの方だったが。その人から、「まあ、大きな子ね。今何ヶ月?」と聞かれた。今まで小さい、小さいと言われてきた息子だったので、『大きい』という言葉は新鮮であった。
そのお婆さんと話していると、後ろに座っていたお孫さん2人を連れたお婆さんも話に加わってきた。息子を見て、「まあ、女の子?」と話しかけてきた。女の子と間違えられたのも初めてだったので新鮮であった。
お婆さん2人は初対面というのに、まるで以前から知り合いだったかのように喋り捲っていた。私はただ2人の話に相槌を打つばかりだったが。2人のお婆さんから、立派な鼻をしていると褒められた息子であった。
昨日は、初めて近所のスーパーと八百屋に息子を連れて行った。
私たちが店に入るなり、スーパーの店員さん3人が息子を発見し、「まぁ~!生まれたばかりの赤ちゃんじゃない。可愛いわね」と声を上げた。店員さんのひとりは「このくらいの時が一番可愛いのよ。もう少し大きくなってみなさい、親の言うことなんて聞かないから」と言い、もう1人は「子供は3歳までに一生分の親孝行をするっていうのよ」と言った。残りの1人は、「寒い中、こんなに小さな赤ちゃんを連れ出して大丈夫なの?あまり風に当たらせちゃダメよ」と心配してくれた。
八百屋のおばちゃんは、「ああ、私が風邪を引いているから、赤ちゃんを抱っこできなくて残念だわ」と何度も言っていた。
私は今まで知らない人から突然話しかけられるのは好きではなかったが、子供を連れている時に話しかけられるのって何だか嬉しいものだなと思った。