「バルタザール・グラシアの賢人の知恵」という本を読みました。
ブログの書籍は「あえて」株式の書籍に組み込みました。
はじめに
バルタザール・グラシアンは、17世紀のスペインで活躍した著述家であり、イエズス会の修道士です。
彼の残した著作は世界中で翻訳され、多くの人々に愛読されています。
哲学者ニーチェは「ヨーロッパは未だかつて、これほど精妙にして複雑な道徳律を生んだことはなかった」と記している。
そして現代においても、高名なティノール歌手であるルチアーノ・パパロッティが愛読書としてグラシアンの書を挙げているなど、欧米では今もマキヤベリ『君主論』と並ぶ不朽の名著として読み継がれている。
400年の時を超えて、私たちに自分を高めることの大切さを与えてくれます。
少しつまみ食いで紹介します♪
運の良い人を見分ける
運の良い人を見分ける能力を磨こう。ついている人達のそばにいて、その恩恵にあやかるのだ。
一方、ついてない人からは逃げるに限る。
悪運は無分別な本人の身から出た錆、しかもその災難は伝染するかもしれないのだ。
小さな不運一つたりとも入りこませてはいけない。もっと大きな不運をさらに引き寄せてしまう。
トランプでどれを捨て札にするかが勝負の鍵であるのと同じように、人生においては、避けるべき人物を心得ていることが非常に重要だ。
聡明な人、思慮深い人に出会ったら、そのそばを離れないこと。
幸運は間違いなくそのあたりにある。
黙するときを知る
ことを始めるにあたっては、ちょっと曖昧にしておこう。
相手の手の内を見せるのは、軽率なだけではなく品位に欠けている。
こちらの意図を伏せて、謎めいた様子で気を持たせよう。心の奥底にある個人的なことを洗いざらい話したりしないのと同じだ。
黙するときを知ろう。あまり早く目的がおおっぴらになると、たちまち非難される。待たせることで、いつも周囲の注目を引きつけておくことだ。
その間、あなたは相手を思い通りにできる。驚異と畏敬の念をもたらす神のように。
真実をすべて話さない
嘘をついてはいけないが、全てを明らかにする必要もない。
穏やかに話す
穏やかな言葉には心の優しさがこもっているが、厳しい言葉は必ず心を突きさす。相手を励ます言葉で穏やかに話せば、敵でさえ態度を軟化させることがある。この大切なことがわかっている人は、まさにその雰囲気を売ることができる。
人に好かれる唯一の方法は、感じよく話すことなのだ。
自分のことは話さない
自分のことを話すとなると、自画自賛か自己批判かのどちらかになってしまう。
褒めれば自慢になり、けなせば気の弱い証拠と映る。どちらに転んでも聞いているほうも自分も居心地が悪い。
極端をさける
良いことも悪いことでも、極端なのはよくない。正も過ぎれば邪となる。
過ぎたるは及ばざるがごとし。
利己主義にも利他主義にも走らない
どちらも極端すぎるのだ。
王のように行動する
みんなが王になれなくても、一人ひとりが王にふさわしい行動を目指すことは可能だ。持てる能力の範囲内で誰もが威厳ある立派な人物になれる。
卓越した高尚な言動を身につけた人は、真の独立を手にすることができる。
目立ちすぎない
いったん目をつけられると、一番の長所までもが欠点に見られてしまう。
完璧を目指す
日々人格を高め、仕事を発展させ、持てる才能と能力の全てが完璧の域に達するように努めよう。達成した時、あなたの思考はより明晰になり、判断力は高まり、自制心が強くなっていることに気がつくだろう。
ひとつの分野で一番になる
ごく普通の技能が多彩にあっところで評価は得られない。
あなたが評価されるのは、何か特別の技能か才能があるときのみだ。
ひとつの分野、つまり自分が進むべき道において、一番いいところをしっかり磨こう。
ただし、つまらない分野でずば抜けるのは、居心地はよくてもあまり褒められたことではない。何か大きなことで抜きんでること。そうすれば、栄誉称賛を手にできるだろう。
はかりしれない存在になる
賢人は、自身の能力を相手に測らせるようなことはしない。自分の知識や才能の範囲を知らしてはならない。
自ら運命を切り開く
賢人は、何事にも偶然はないことを知っている。
誰にでも幸運をつかむ能力は備わっているのだ。ただし運命にじっと身を任せるよりも、自ら運命を切り開いていく人になろう。
真価と勇気を発揮して、望むものを手に入れよう。
よく考えれば、チャンスに敏感でいること以外に成功への道はないことがわかるはず。
知恵を備えていることが最大の幸運であり、それがないことは最大の不運だ。
チャンスを逃さない
チャンスが到来しても捕まえ損ねてしまうのは、それがチャンスだとわかっていないから。
チャンスを理解することは、知性の中でも最も重要な能力のひとつだ。
この能力が欠けていると、何度でもチャンスを見逃してしまう。チャンスは二度は訪れないのだ。
徳を持つ
良識のない人、不道徳な人の人生は短い。
堂々と退場する
堂々と退場することは、登場よりも重要だ。威風堂々と入ってくる人は、去るときはきっと惨めなはず。役者は誰でも登場したときは拍手で迎えられるが、満場の拍手喝采の中で退場できるのは優れた演技を見せた者だけである。
あくまでも一部しか紹介できなかったのですが、面白い本です。
マキヤベリの君主論と並ぶ本ということなので帝王学なのでしょうね。
帝王学は人に対して使うものでしょうけど、自分に対しての帝王学のような感じでした。
もちろん、自分にとって耳が痛い部分があったのですが、スパイシーで良かったですよ(笑)
あ。。そうそう・・・この本を読んでいてユダヤ人やアメリカの賢人の思考回路に似ていると思いました。
何百冊も本を読んでますが、賢者の思考回路には共通点があるんです。
賢者は「掴みどころがない」ほど柔軟な思考回路という表現が正しいのかどうか分かりませんが、非常に柔らかい思考回路を持っているんですよね。
投資でいうならバフェットです。
なんていうか・・・多面思考なんだな~。