2022年に大河ドラマに決定している「鎌倉殿の13人」主人公:北条義時
のキャスト選別で小栗旬さんに決めた経緯を三谷幸喜さんは、
過去の制作ドラマで小栗さんに若い時の高倉健さんの役を演じてもらったことがあり、その印象から決めたとのこと。
かつての「新選組!」で香取慎吾さんを近藤勇役に決めた「げんこつが口に入るから」につながるものを感じています。
これより、
20世紀・21世紀を駆け抜けた偉大な映画俳優:高倉健 さんは、
2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」主人公:北条義時 が、・・・
の「・・・」について描き綴ってみたいと思います。
高倉健さんは、名越流の末裔で鎌倉幕府滅亡時に太守・北条高時とともに自害した北条篤時がご先祖。
鎌倉幕府滅亡時に京都にいた北条篤時の子孫が西国に移り大内氏に仕えた後に北九州に移り住んだそうで健さんも九州出身。
この事実は、健さんご自身もかなり晩年になるまでご存知ではなかったそうで、
健さん著のエッセイ集「あなたに誉められたくて」によると、福岡在住の大学の先生からのお手紙で
健さんご自身の先祖が鎌倉幕府執権・北条氏一門であることを知ったとのことです。
そのお手紙には、健さんのご先祖(5代前)に小田宅子(おだ・いえこ)さんという方が居られ、
150年ちょっと前に「東路日記」という紀行文を残されているという内容で、
「そのことをご存知でしょうか」と書かれていたそうです。
筑前国の商家「小松屋」の女将・小田宅子さんは親しい歌仲間と東国の旅に出て、
奈良や伊勢神宮を回り、名古屋、木曽路を通って善光寺へ寄った後、江戸を経て故郷へ戻るという
大旅行をされ、そのあと、その旅行のことを旅日記としてまとめていたというものです。
高倉健さんの本名の姓は小田であり、小田宅子さんは父方の何代か前のおばあさんにあたるということでした。
そうした事実を知り、早速、福岡に戻り、本家の「小松屋」に立ち寄り、残っていた家系図を見せてもらったところ、
その一番上にあった名前が「苅田式部太夫篤時(北条篤時)」。
健さんご自身が鎌倉幕府執権・北条氏一門の末裔であったということを知った瞬間でした。
のち、健さんは、友人である萬屋錦之介さんに勧められ、鎌倉のとある霊園墓地を購入したそうですが、
その帰りに何気無く同じ鎌倉にある「宝戒寺」というお寺にお参りし、ご住職とお話をされたそうです。
その際に、自分が鎌倉幕府執権・北条氏一門の末裔であったということを知ったいきさつを話され、
先祖が一門の北条篤時であることをお話ししたところ、そのご住職は「あっ」という顔をされ、
奥のほうへ引っ込まれて持ち出されたものがお寺の過去帳。
そして、ご住職はそこに書かれてあった篤時の名前を黙って指さしたそうです。
このとき、健さんはどのように思われたか?
自分が鎌倉幕府執権・北条氏一門の末裔であることを知ったあと何気無く立ち寄ったお寺が先祖の菩提寺であったと。
1333年5月、新田義貞の軍に追い詰められ東勝寺で無念の自害により
浮かばれなかった篤時公そして北条一族の霊が健さんを呼んだのかもしれません。
宝戒寺は、北条高時をはじめとした北条一族の慰霊のために
後醍醐天皇の勅命から足利尊氏により建立されたと言われています。
鎌倉幕府滅亡により篤時自害後、篤時の息子は備前・岡山へ脱出。
以後、長門・山口の大内氏を頼り家臣となりますが、大内家を辞し北九州へ下ります。
のちに、筑前国の黒田藩主から名字帯刀を許され小田姓を名乗ります。
またのちにその子孫が両替商である小松屋を営み成功を収め、
小田宅子さん、そして、高倉健さんにつながることになります。
もっと上のご先祖をたどれば、凄い人たちが名前を連ねています。
大河ドラマで演じられた役者さんや功績を併記します。(敬称略)
北条篤時
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北条時章
(白竜「北条時宗」(篤時の父・二月騒動で幕府からの粛清に遭い自害に追い込まれる))
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北条朝時
(北条義時の次男。正室の長子ながらも源実朝の勘気に触れ廃嫡。名越流の始祖)
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北条義時
(松平健「草燃える」・小栗旬「鎌倉殿の13人」(2022年大河ドラマ予定)
(源頼朝正室・政子の弟。2代執権。承久の乱で朝廷方に勝利))
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北条時政
(金田龍之介「草燃える」(政子・義時の父。源頼朝の舅。鎌倉幕府初代執権))
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平直方
(北条氏の始祖と言われる。平忠常の乱の鎮圧に尽力。源頼義の舅・源義家の祖父でもある)
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平維将
(兄弟である平維衡が平清盛を輩出した伊勢平氏・平家の祖)
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平貞盛
(山口崇「風と雲と虹と」承平天慶の乱で平将門に辛勝)
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平国香
(佐野浅夫「風と雲と虹と」平貞盛の父)
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平高望(高望王)
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桓武天皇
なお、とあるサイトから「・・篤時は、金沢北条氏の2代目、顕時の兄なのです。金沢北条氏・・」という文言が現れ、
その場合、「出生上の」系図は、(敬称略)
金沢貞顕(児玉清「太平記」)
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北条篤時 北条顕時(山口馬木也「北条時宗」)
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北条実時(池畑慎之介(ピーター)「北条時宗」 金沢文庫の創始者)
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北条実泰(金沢北条氏・祖)
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北条義時(松平健「草燃える」)
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北条時政(金田龍之介「草燃える」)
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平直方
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平貞盛(山口崇「風と雲と虹と」)
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平国香(佐野浅夫「風と雲と虹と」)
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平高望(高望王)
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桓武天皇
「名越流」の北条篤時 と、「金沢流」の北条篤時 は同一人物なのでしょうか?
出生が金沢流で名越流に養子に入ったとか。(?)
どちらにしても、桓武平氏・直方流の北条氏としての本流で北条義時が先祖であることには変わりはないようです。
ということで、冒頭で題しました部分。
20世紀・21世紀を駆け抜けた偉大な映画俳優:高倉健 さんは、
再来年2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」主人公:北条義時 が、
直のご先祖にあたるのです。
「これら」を想像すると、健さんが永井路子先生作の小説「炎環」を映画化され、
主役となるだろう先祖である北条義時役を演じる姿も見てみたかった想像も浮かんできます。
源頼朝没後から承久の乱まで。北条義時を如何に演じ切られるか?見てみたかったですね。
(「義経」で梶原景季を演じた際のショットを貼り付けようか迷いましたが、イメージが崩れると思い「草燃える」での松平健さんのショットを選ばせていただきました)
「麒麟がくる」で「本能寺の変からまだまだ続くのか?」も気になるところですが
再来年が待ち遠しいですよね。
みなさんが、昨今の新型コロナウイルスに打ち克ちますように。