番組後記 1118 | 岩に染み入る 蝉のーと

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蝉丸のつれづれ日記




団長ですおさる

今日から町田市立つくし野中学校が職場体験ですぽっ男の子女の子女の子

木曜日までねにかっ





番組後記




職場体験が8日連続で行われる。


今年はここまで13校・約40人の生徒が、私の「生徒」として「卒業」している。


特にこの11月は集中している。そして、この11月ですべての職場体験が終わる。


そんなこともあり、番組の準備がなかなか進まなかった。


18日は午前中に少年野球7チームがあったり、「保土ヶ谷行き」があったりと様々な事が重なる時は重なる。



そんな中の「職場体験」だ。


中学2年生が、エフエムさがみにくる。


他の職場とは違う。


「レジうち」もなければ「品だし」もない。


「電波」という目に見えないものを扱う職場である。


しかも、分刻みに仕事が進んでいく。


ラジオを聴いたことはあっても、ラジオの現場は見たことないだろう。


いや、ラジオを聴いたこともないかもしれない。


実際に、半分以上の生徒が家にラジオがない。移動の車の中で聴いたことがある経験がほとんどだ。


「ラジオ」ではなく、「メディア」の仕事として体験したいようだ。


といっても、多少の技術がいる仕事も多く、いきなり彼らをスタジオの生放送に入れたり、取材に派遣する訳にはいかない。


表面上の仕事しか体験できない。


では、何を教えるか?



幸い放送局である以上「放送禁止」の言葉がある。


これは、「聴いている人が不快感を抱く言葉」と置き換えよう。


これは別に「スタジオ」だけでなく「日常生活」でも使える観念だ。


そして、その観念は時代とともに変わる。


彼らに、「部落」といっても意味がわからないだろう。


私が小学生のとき、初対面の年配の人は「君の部落はどこ?」と笑顔で聴いてきた。


この言葉は、確かに歴史をつなげれば「放送上適さない言葉」になる。


私でもこの言葉を使うことはほとんどなくなった。


しかし、どこかの局面で彼らがこの言葉を聞いたときに、その意味を理解すべく身構える事は、


彼らの意識の中にあっていいと思う。


言葉は「歴史」の流れとともに変わる。時間という樽のなかで、使われなくなる言葉もあれば新たに蒸留さ


れる言葉もある。そして、新しい言葉にも「放送上適さない」言葉を内包的に含むものもある。


今の基準が、あしたも基準である。それは、今の世の中に適さない「観念」であろう。



そして、「何事にも興味を持つこと」


中学生の目の前には、無数の道が横たわる。


彼らには、さまざまな事にアンテナを持ち、自分が進める道を一本でも増やしてほしい。


大人になれば、道を戻ることも立ち止まることもできなくなる。


年をとるとは、可能性を消していくことである。


「肩書き」「プライド」「立場」など見えない重い足かせだけが増えていく。



職場体験で放送局に来たからといって、放送局の仕事に進む必要はないのだ。


私は、取材を通じて様々な人と出会ってきた。


私は、私の年齢に応じたアンテナを広げてきたつもりだ。


様々な人に会い、様々な場所に行くことで彼らにも彼らなりのアンテナを広げることができるだろう。



職場体験の担当になり、3年がたつ。


もうすぐ100人の生徒と出会うこととなる。


彼らの「知りたい」「見たい」という情熱には答えないといけない。


そして、彼らにこの街の魅力を教えないといけない。


それは、「地域の放送局」であることと「大人」の役目である。


彼らが将来相模原を飛び出したときに胸を張って地元を語れるように。



明日も、生徒達と顔をあわせる。


「先生の大変さ」と「早起きのめんどくささ」とともに。


明日は、彼らと何を話そうか?