術後3年 | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

ようやく寒くなってきて冬本番ですね。

3年前の手術の年も12月後半に退院したら、

急に空気が冷たくなっていて驚いたのを思い出しています。

 

病院の近くを通るとここ最近は、

「全身麻酔してお腹切って内臓出すなんてよく決心したなー。

今なら怖くて無理無理無理」

なんて他人事のように考えています。

当時はそれだけ身体が辛くて、切羽詰まっていたのですね。

辛さの記憶も薄らいできたのかとも思います。

あの苦痛が完全に過去のことになったようで、本当にありがたい。

 

入院していた病院は散歩コースの中にあるし、

観光地の近くでもあるのでニュース映像に映ったりもして、

直接でも間接でも目にすることが多くあります。

その度に不安な気持ちも痛くて辛かったことも、

治してくれてありがとうございますな気持ちも懐かしいような感覚も、

一度にごちゃまぜに甦って不思議な感じがします。

考えてみたら夫と11日間も離れて寝起きしたのはあの時だけ。

「病院出た後、かのこの部屋の窓探してみたんだよ」

と言われて、翌日の夜夫が部屋を出た直後に窓にへばりついて

目をお皿のようにして夫を見つけようとしたけれど、

ちっとも分からなかったのも、当時は切なかったのに今は笑い話。

先生やお世話になったみなさんに改めてお礼を言いたい気持ちを

ずっと抱えたまま、もちろんそんなことは叶うはずもなく。

近くて遠い、私にとって病院は独特なところです。

 

身体はすっかり元気です。

どうかすると手術したことなんて忘れてしまいそうなほど。

この夏はあんなに暑かったのに、

去年一昨年よりもお腹に違和感が多かったような気もしますが。

支障のない程度なので開腹手術のおまけと割り切って、

あまり気にしていません。

むしろ寒くなってからの方が違和感が減っているのが不思議だな、と。

身体のことって分かっているようないないような、面白いものですね。

 

生理のない生活も3年経ったということになりました。

もうもうとっても楽ちん。

10代前半くらいから毎月あの苦行に数十年耐えるなんて、

世界中のおなごは本当にエライ!と心から思います。

手術をするかしないかで迷っていた時に、

閉経っていつ頃?と、主に身内の先輩女性に聞いてみたのですが。

意外なことにかえってくる返事は、

「うーん、はっきり覚えてないわね……いつだったかしら?」

という曖昧なものが非常に多かったのです。

あれ?ぶしつけな質問だったかな?(だから身内に聞いたのに)

それとも時間が経ちすぎて忘却の彼方?(祖母にまで聞いた)

と思っていたらちょっと年上の友人が。

「ちょっと聞いてよかのこちゃん!

この間終わったと思った生理が1年3か月ぶりに来たのよ!

もう生理用品なんか処分したっていうのにー」

ああなるほど、終わりがはっきりしないものなのですね。

いつ終わるとも分からないものを待つのも微妙にストレスっぽいから、

今日生理が終わります!(←手術日生理だった)という潔さは、

私にとってはちょっとしたご褒美だったかもしれません。

 

傷跡はもうほとんど変化はなく、これが最終形でしょうか。

去年の今頃とそんなに変わっていない、かな?

白い細い線がよく見れば薄らぼんやり、

でも切った長さ分だけ(濃淡はあれど)ちゃんと残っています。

実はこれを書くために久しぶりにまじまじと眺めたほど、

傷跡について全く気にならなくなっています。

手術直後にあんなに心配していたのがむしろ謎なくらい。

だけれども、当時はむちゃくちゃ気にしていたのも事実。

普段全然ビジュアル重視じゃないのに……。

身体の回復スピードもスゴイことでしたけれど、

精神もゆっくりとはいえ元に戻っていくものなのですね。

これも面白いことだなーと思います。

 

ごくたまに顔を合わすホームドクターはその都度必ず、

「どうだ、手術の後の体調は?」と聞いてくれます。

んん?もうこんなに時間が経っているのにまだ要注意なの?

それとも他に話題がないから聞いてくれているだけなのかな?

「問題ないです、元気です」と返事をして、

何かあれば先生に相談すればいいやという安心材料になっています。

お腹を温めていると「痛いの?大丈夫?」と夫は気にしてくれて、

冬になると姑は「冷やさないようにしなさいね」と声をかけてくれる。

まだ心配させているのかと申し訳ない気持ちにもなりますが、

その心遣いがありがたくもあって、幸せなことだなと感謝しています。

 

こうしてブログを書くことで改めて「3年」と思うとなかなかの時間。

手術の年に生まれた友人の子が来年幼稚園に通うと聞けば、

これは結構な長さですね。

この短くない期間を快適に過ごせたのは手術のおかげだし、

今差しさわりのない暮らしができていることが本当に嬉しい。

やっぱりこのありがたみをたまにはきちんと思い出して、

今ある時間を大事にしようと考えている術後3年です。

 


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