カエル姫です。

 

コロナによる自粛、梅雨前線の停滞による災害などで落ち込んだ気分を、少しでも明るくしようと企画された本日のランチ会、盛況でした。

 

自然・四季とともに暮らす日本の夏の衣食住を追体験するため、住体験の会場は下京区にある京町屋「幻想庵」。呉服問屋「廣田紬」さんのオフィス兼町屋体験できる貸しギャラリーです。

 

道路に面した部屋はオフィス、暖簾をくぐり、通し土間を行くとギャラリースペース

 

ギャラリーの玄関の間、明り取りの天窓がある

 

増改築で新しい部分もあるが、元々は150年前:明治初年の建築

 

奥の和室から中庭を見る

 

同じ中庭を2階から見る。建具は夏仕様の簾戸に変わり風が通る

 

普段は体験できない京町屋建築を拝見させていただきました。障子から簾戸へ、窓には御簾、夏を涼しく過ごす工夫が随所に。今はクーラーは欠かせないが、視覚的にも涼を感じることができる空間です。

 

さらにまちづくりの専門家で生活建築学(箱としての家ではなく、そこでどのように暮らしたいかどう生きたいか、まで熟考することで、より良い家の在り方を指南)のH先生のお話をお伺いしながら、人間いくつになっても学びの姿勢が必要、とちょっと覚醒しました。

 

食体験は、北白川にある出張茶懐石料理の「三友居」さんの竹籠弁当をいただきました。

 

竹籠の中にコンパクトに詰め込まれた京料理

 

竹籠が涼し気なお弁当。ひょうたん型物相で型抜きしたご飯、鱧寿司、鯛の昆布〆、あられ衣の天ぷら、生麩の炊いたん、だし巻き卵…名前がわからない諸々 てへぺろ ちょうどいい量でした。

 

衣体験は…本当は夏着物を楽しみましょう、そして布自慢を、が主旨の会。でも朝からの雨、結局参加者8名中着物は2名。準備していた私も雨にめげて洋服での参加。やれやれ、また着物を着るチャンスを逃してしまいました。

 

参加者はそれぞれ布づくりの専門家。自作の布をお披露目。

 

染めの作家の鮮やかな丹後シルクのスカーフ

 

伝統工芸士の近江麻の紬

 

琉球藍で染めたヤシラミ織り(沖縄の伝統柄)のストール

 

1枚の布に物語が一杯つまっています。着物はその最たるもの。夏着物の素材はいかに涼しく見せるかを追求した薄物(絹織物なら絽や紗、麻なら上布など)、見た目は涼し気ですが、肌着に襦袢に着物と重ねるので、やはり本音は暑い。そこを我慢して涼しい顔で着こすのはなかなか大変。気力・体力・環境が整わないと、私のような辛抱が足りないものはすぐギブアップしてしまう。

 

まだまだ修行が足りない、を痛感。

 

経験豊かな人たちと実際にお会いして話せる、自粛の時にはできなかったリアルなコミュニケーションはやはり楽しい。いろいろな気づきと刺激に満ちた貴重な時間でした カエル