午前中のお茶の時間、看護学生さんがMさんとKさんと『すずらん通信』を見ながら賑やかに過ごしていた。
その時間が過ぎて少しして、台所で食事を作っていた私に、スタッフのK君がこう言った。
「Kさんが(MさんとKさんの席の迎えに座っている方)怒って自分の部屋に帰っちゃったんです。ジュースも飲まずに行ったので今部屋で飲んでもらいました。さっきあそこで楽しそうにしていたのが嫌だったみたいです。自分だけのけ者にされたようで気分が悪いと言っています。」
とのことだった。
昼食になっても気分はまだ優れない様子。
加えて、Iさんのご主人が珍しくお一人で面会にいらして、珍しく皆と食卓を囲みご自分で買ってきたパンを召し上がっていた。
なんだか、いつもと違った緊張空気の食卓。
Kさんは食欲も無くなったご様子で、おかずを残して食べ終わった食器を台所に下げに来た。
私と目が合ってKさんはこう言った。
『なんだかおっかないよ。めがねかけてギロッてみられて・・・・・』
傍によってお話をするとまだ気分が悪いという。
『気分が悪いの、なんだか具合が悪い』
顔は少しほころんでいるがまだ緊張の面持ち。
もう一度食卓へ戻り残したおかずを時間をかけて召し上がった。
いつもなら食べ終わるとすぐに居室へ戻ってしまうが、今日は誰もいなくなっても食卓に残りスタッフと話をしている。
話しついでに夕食のさばの味噌煮をお願いしてみる。
きっと落ち着かないのではないだろうか。
いつもとちがう、ちょっとした雰囲気がKさんの心に陰を落とした。
考えてみたら花縁に来てから
『気分が悪いの、具合が悪いのよ』
という言葉を聞いた事はなかった。
午後になり少しお部屋で休んだあとお手伝いを頼みに行く。
「Kさん、サバの味噌煮!頼む!」
にこっと笑ってすぐ来てくれた。
いつもと変わらず手際よく、ささっと作り上げてくれた。
作った後、昨日届いた「とうきび」を食べてお部屋へ戻った。
夕食になりまたお手伝いを頼む。
いつもと変わらないKさんに戻って盛り付けをしてくれた。
やっぱりKさんの煮魚はうまい!!!
いつもと変わらない上手さだったよ!!