台所の賑わい。

若い者たちは沢山のことを教わる。


料理を作るという過程の中で

たくさんのドラマが生まれる。



6月初めに入居したKさん。

彼女の症状は幻覚と幻視。

見えない誰かと、鏡の中の誰かと会話する。

その誰かの声も聞えるような会話の数々。


そんなKさんは今までの誰よりも料理が上手い。

ある日の夕食は「ホッケの煮付け」。

ふと、今まで食べたことのない味と思いスタッフに尋ねる。


そうするとスタッフは教えてくれた。

『Kさんがひとりで作ったんです。ホッケと鍋と調味料をセットしておいて、お願いしたら最初から最期まで一人で作ってくれたんです。』

今まで食べたことのない味は美味しかった。



ある日の昼食。

18才新人の男性スタッフK君がKさんと作っていた。

彼にとっては難しい1品、「白和え」。

Kさんに教わりながら作っている。


なんだかざわざわ、ぶつぶつとささやく声。

どうやら白和えが白和えでなくなってきたらしい。

材料を炒め味付けし豆腐を投入・・・・・。

白和えが「炒り豆腐」に変更。


それでもいいさ。

白和えよりも炒り豆腐のほうが好き。

味も美味しいし問題なし!



なんでもできるババ様たち。

もっとできるよババ様たち。