花縁ときわ館の入居の問い合わせが相次いでいる。
あちこちのケアマネさんから毎日のように電話が来る。
最近の特徴は、現在在宅で頑張っているが、そろそろ家族も本人も限界が近づいているので、冬の前に入居させたい、というもの。
そんななか、ある事業所の方から(職種は不明でも福祉の専門職のよう??)ある病院に入院しているかたの相談を受けた。
電話をくれた方のおばあさんに当たるという。
その病院は介護保険系の施設ではなく、ある専門医療をする病院。
入居対象となる方は、2年ほど前から入院している。
ご家族が介護困難な状況になったための入院だった。
ご本人さんのご家族がその病院に勤務していることから入院させてもらったらしい。
ところがある頃から『認知症』を発症。
その症状が徐々に進んできたため、その病院では苦慮し始めたらしい。
それでそろそろ退院するほうがご本人にとってもご家族にとってもいいのではないか?と今回グループホーム入居を検討しているという。
そんな状況の説明を色々聞いた後のこと。
その方は最後の最後にこんなことをいうのである。
『実は問題がひとつあって・・・・・』とやや口ごもる。
「なんですか?」
『夜間徘徊があるんです!・・・・・。なので入居を拒否されるのではないかと思って・・・・・。断られますよね・・・夜間の徘徊があると・・』
花縁では夜間の徘徊があることが入居をお断りする要因にはならないことを話す。
それよりも夜がそんな状況なら日中はどうしているのだろうかと?
日中の様子を聞くと、普段は歩けるのだが歩くと危ないので車椅子に座らせ、立ち上がれないように縛っているという。
その状況に対しても続けて
『グループホームでもそのように縛っていていいですから。家族もそれでいいといっているので』
相次いで耳を疑った。
『グループホームでも縛っていていい』???
そのおばあちゃんがその電話をくれた方の身内だったとしても、私にはちょっと信じられない言葉の数々。
まして電話をくれた方は「○○○○事業所」の福祉専門職の方。
この世の福祉の方たちは『認知症』のことをどれだけ知っているのでしょう?
「夜間徘徊」という言葉を使うことははまだ聞き逃せても、それを「問題行動」と断言すること、更に立ち上がり防止の抑制を認め、介護保険の対応施設であるグループホームでも「縛ってください・・・」と言っちゃうところ。
電話を置いてからしばらく呆然としてしまった。
・・・・・これが現状なんだろう。
私は『認知症』にどっぷり浸かって、『認知症』はもう当たり前になっている。
『認知症があっても普通に生きる』ということを普通に体験していると、私のほうがこの世の中から遠ざかれ、別の世界に存在している?という錯覚を覚える。
認知症を取り巻く環境は日々進化している。
認知症という障害があっても普通に暮らしていけるために、インフォーマルな活動も徐々に増えている。
もっと興味を持ってくれないだろうか?
その行動だけを取り上げるのではなく、なぜそうしているのか?
もっと関心を寄せてくれないだろうか?
どうしたら縛らなくて済むのかを。
もっと知ろうとしてほしい。
あなただってそうなるかもしれない。
やっぱり行き着くところはひとりひとりが
『どう生きるか』
なんだろうな。