発想が豊かで感情表現も豊かな1階ユニットのYさんの今日の出来事。
今日のお昼はチャーハンだったのだけれど、Yさんはいつものようにパンを希望した。
『風邪を引いたら食欲がないのでご飯は食べられないから、パンはないでしょうか』
あいにくYさんの好きなパンはきらしていた。
「パンはないよ」と言うと、しかたなくご飯を食べるときもあるので、今日も「ない」ことにしていた。
でもご飯に手をつける様子は全くない。
午前中には息子さんご夫婦が面会にいらしていて、もしかしたらそのときおやつを食べたのかもしれない。
息子さんは「みなさんでどうぞ」とふわふわの洋菓子とどら焼きを一箱ずつ持ってきてくれた。
せっかく頂いたのだから、全くご飯を食べないYさんに上げようと思った。
どちらもおいしそうでYさんが好きそうなのでひとつずつあげることにした。
Yさんはとっても喜んでくれてご飯の変わりに食べたんだ。
食べたのはふわふわの洋菓子のほう。
どら焼きはエプロンのポッケに忍ばせた。
そして夕食になった。
夕食はちゃんとご飯を食べてくれていた。
ご飯の途中に「はなみず」と「せき」がでたので、いつものように『すいません。風邪薬あったらもらえんだろうか』と、風邪の兆候に不安感。
いつものように病院からも貰っている薬を「風邪薬です」と飲んでいただく。
前は自前の『エスタック顆粒』を飲んでいたけど、今、Yさんはそれで納得してくれるようになった。
だから今『エスタック顆粒』は飲んでいない。
その数分後、私はTばば様の食事介助をしていた。
Yさんの声がする。
『これは・・・・・ど・く・や・く・と書いとるのだろうか・・?』
その声を聞いて、わたしは不思議に思っていた。
いつも薬を飲んだ後そんな風に薬に対して疑問を持つことなどないはずなのに、今日に限って・・・・・?
いったい、何を見て『毒薬』と?
そしてその不思議そうなYさんの問いかけに答えたスタッフの返答が
「そうかもしれないね・・・・・」
それを聞いて尚のことわたしは不思議でならない。
スタッフも(そうではないのはわかっているけど)そうかもしれないね、と答えるそのものはいったいなに?ほんとうの薬のはずないし・・・・・
想像力が膨らむが、全く創造できない。
だからおもわず後ろを振り返ってその『毒薬』を確かめたくなった。
それをみてひっくり返った!
なんだと思います?!
お昼に渡した『どら焼き』でした。
『どら焼き』と書かれた『ど』を見て『どくやく』と・・・・・
Yさんにとってそれはどら焼きではなく風邪薬だった。
おととい近所の薬局へ歩いていって、『風邪薬をください』と150円くらいで買ってきたものなのにいったい何をくれたのか?
不可解極まりない。
その後「どらやき」であることを説明したけど、Yさんにとってはあくまでも「風邪薬」で終わった。
近所の薬局の店員さんに不可解な薬を渡されたことはYさんにとっては衝撃だから、トイレに行った後も「すいません!さっきのあれ・・・・・」とスタッフに確かめていた。
でも「どらやき」の「ど」から「どくやく」を発想するYさんの想像力に乾杯!!