母が亡くなって2年と4ヶ月。

父が亡くなった。

そのときわたしは16歳だった。


不思議と母のときのように涙はでなかったように記憶している。

なぜかと言うと、父のことが嫌いだったから?

ではなく、たぶん、その現実にすごく戸惑っていたのだと思う。


これから先どうなってしまうのか。

今、この瞬間、瞬間のことがわからない。

何をどうしたらいいのかがわからない。

非常に心細い気持ち。

悲しさよりも行く末を案ずるとてつもなく不安な気持ち、だったのではないだろうか。


家族同然のおばさんはじめ近所の人達がみんな家に来て必要なことをしてくれた。

とてつもない不安に襲われて、なにか落ち着かなかったように記憶している。


東京から兄がすぐに来てくれた。

9歳離れた兄の顔を見たらすぐに涙が出てきた。

そしておとうさんに挨拶する兄に泣きながらこう言った。


『おにいちゃん、ごめん、おとうさん死んじゃって・・・・・』

自分のせいだと思った。

自分がみんなの代わりにお父さんの健康管理をしてあげなきゃいけないのに、十分じゃなかったから死んじゃった。

そう思ったんだ。


そしたら兄はそんなわたしにたった一言。

『おまえはなんにも心配するな。だまって学校へ行きなさい』

親がいなくなって戸惑うわたしに、学校だけはちゃんと行かせるという兄の思いだった。

わたしが自分のせいでこうなってしまったのではないか?ということには一つも触れず、わたしの学校のことを案じてくれた。



その日は母の月命日。

父は母が亡くなった同じ日に逝ってしまった。

そしてわたしはまたあの『喪服』を着ることになった。

今度は16歳の喪服。


つづく。