脳が回らない。脳が回らない。自分の矮小な脳が回らない。頭痛になっても煙草を呑むことしか出来ない。不幸にばかり目が行くから不幸から目を背けることができない。曲がり切った自分という生き物の背筋を伸ばすことしか出来ないけれど文字を啄んだ残り滓を垂れ流すことが慰みになるからそうするしかない。

 環境が変わりすぎた。環境が変わりすぎた。満足に気分良くなることも出来ない。独りは厳しい。冬の寒さも夏の暑さも厳しい。抱擁が欲しい。自分の望む抱擁を得たい。溺れるだけの深いプールで錘の不安を手放したい。浮き上がりたくても人の目が気になるから潜り続けることしか出来ない。

 愛が足りない。愛が足りない。誰も信用できない。誰も信用できないから愛が得られない。低い自尊心と高いプライドが矛盾してぶつかり合って僕が壊れる。残念ながら僕の丈夫な心は逃避を選ぶからうまく逃げることすらできない。愚かなり悲壮感。僕の心は拠り所を知らない僕の心は人と触れあっている時にしかここから逃げられない。

 立ち回りが下手。立ち回りが下手。舞台上で踊ることができない。リズムを掴むことが出来ない。おぼつかない足取り千鳥脚で酒を飲むことすら出来ない。酒に逃げることすら出来ない愚か者よ。誰か僕の腕を掴んでくれ。強がりだから寂しがりだから心の内を吐露しきれない。内臓を抉り出せない。優しいのではなく勇気がないから何も言い出せない。

 助けてくれと言っている。声は出せないと言っている。ただ誰かに抱きしめられたいと言っている。抱擁しか救いが無いと言っている。独りで生きるには僕は余りにも矮小すぎた。今日はこれだけ。