食べた物は、胃のなかにどのくらいの時間とどまっているのでしょうか?
もちろん、食物によって胃のなかでの滞留時間は違うでしょう。
滞留時間の短い食べ物は、消化がよく体にもよいでしょうが、
すぐにお腹が空いてしまいます。
一方、滞留時間が長い食べ物は「腹持ち」がよくダイエットには
向いているかもしれません。
ですがそのかわり、胃に負担はかかり、さらに夜は脂肪に
変わりやすいという難点があります。
では、胃に優しく、カロリーを抑えながらも腹持ちのよい食事を
摂取すればどうでしょう。健康が保たれ、空腹のストレスに悩むことがなく、
ダイエットが成功するのではないか、と思えてきます。
普段多く摂取する食べ物が、胃のなかにどれくらい滞留するのかを知って、
食べ方を工夫すれば、ダイエットにも、栄養学的にも体によいのではないでしょうか。
人間はかなりの雑食動物です。糖質、炭水化物、タンパク質など
性質の異なる食べ物を一度の食事で同時に摂取しています。
チンパンジーは人間と消化器の構造がかなり近い動物だそうです。
ですが私たちは、チンパンジーのように、食事の半分以上を果物で
済ますというわけにはいかないでしょう。
雑食であるため人間の体は、食事の消化活動に約1600キロカロリーを費やしています。
それは体を維持するエネルギー全体の約70%に達する量です。
1600キロカロリーといえば、フルマラソンの完走で消費する
エネルギー量に相当します。つまり、食べ物を消化する行為は、
フルマラソン並みの激しい運動なのです。
私たちが食べた物は、胃で消化され、小腸に運ばれ、やがて排泄されます。
食べ物が胃に留まる時間は、食べた物の性質によって変化しますが、
通常は食後10分ほどで胃の内容物が小腸に運ばれはじめます。
消化の早い食べ物で約1時間、遅い食べ物では約5時間の滞留時間があるとされています。
一般的に日本人が摂取する多くの食べ物は、
約2~3時間で小腸へ送られるようです。
さらに同じ食べ物でも、摂取量によって滞留時間に違いがでます。
例えば…
牛乳は75ミリリットルでは1時間15分、200ミリリットルでは2時間、
400ミリリットルでは2時間30分というように、
分量に合わせて滞留時間は長くなります。
同じ食材でも調理方法によって滞留時間に変化があらわれます。
卵は調理して固まると卵白の消化率は上がり、
卵黄の消化率は下がるという特徴を持っています。
そのため、卵は料理によって、胃のなかでの滞留時間に
次のような変化が生じます(卵100グラムの場合)。
・半熟卵「約1時間30分」
・生卵「約2時間30分」
・卵焼き「約2時間45分」
・固ゆで卵「約3時間」
食べ物の組み合わせによって、滞留時間は異なるでしょうが、
次のような時間を覚えておくとよいでしょう。
・果物「約20〜30分」
・野菜「1〜2時間」
・炭水化物(白米、パン、麺類など)「約2〜4時間」
・タンパク質(肉、魚、卵、豆類など)「約4〜6時間」
・脂質(乳製品、菓子類など)「約7〜8時間」
いかがですか?栄養や腹持ちなどを考えると、ダイエットには
「高タンパク質で低カロリーな食事」がよさそうですね!
普段の食事は、白米やパン、麺類を抑えぎみにして、野菜と肉や魚、
豆類をある程度の量食べるほうが、
ストレスの少ないダイエットが続けられるでしょう。
掲載元:https://www.hospita.jp/medicalnews/20170221l/
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