養源院あたりぶらぶら | 京徒然

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京都に住むおっさん「夕霧 楓」が日常を徒然に綴っています。
JA10クロスカブ『十六夜くん』に乗って走り回るのが趣味です。
温泉ソムリエ検定合格・温泉ソムリエマスター認定された『温泉ライダー』です。
バイクやラーメン、京都の話題、日々のネタを書いています。

11月25日(土)晴れ

 

東山七条。

 

観光客の喧騒から逃れるには京都の南のほうがイイ。

 

五条から北、四条に向かって清水寺・三年坂・法観寺(八坂の塔)・二年坂・霊山観音・高台寺・ハ坂神社(祇園さん)・円山公園、四条を越えて知恩院・青蓮院・平安神宮・金戒光明寺(黒谷さん)・真正極楽寺(真如堂)・南禅寺・禅林寺(永観堂)・法然院・哲学の道・慈照寺(銀閣寺)。

 

もしくは、六波羅蜜寺・六道珍皇寺・京都ゑびす・建仁寺・安井金比羅宮・花見小路、四条を越えて巽橋・辰巳神社 (辰巳大明神)・一本橋・一澤信三郎帆布・マルシン飯店・檀王法林寺(だんおうの鬼子母神さん)。

 

まぁ、京都本を見ると必ず載っている場所が目白押しなのが祇園・東山界隈の三条から五条の間。

 

京都本と言わず、何らかの教科書にでも載っていそうな場所も多い。

 

 

一方で五条の南側と言うと、方広寺(国家安康 君臣豊楽)・豊国神社・国立博物館・蓮華王院(三十三間堂)・豊国廟、七条を越えて泉涌寺・東福寺、かなり離れて稲荷大社。

 

このぐらいしか京都本に載っているような場所がない。

 

空いている。

 

お散歩には断然五条より南がイイ。

 

 

今いるのは塩小路通東山西入ル、塩小路大和大路の東側、京都国立博物館の南側。

 

看板をご覧いただいている通り、蓮華王院(三十三間堂)の南大門の前。

 

重要文化財である。

 

 

重要文化財と言ってもこの下を自由に行き来できる。

 

「自動車通行禁止、但し、普通乗用・貨客乗用・軽自動車を除く。」

 

つまり、トラックやバス以外ならくぐれる。

 

バイクや軽車両ももちろんくぐれる。

 

ボクが知っている限り、京都には「西本願寺の総門」と、ここ「蓮華王院の南大門」が『車で下をくぐれる重要文化財』になっている。

 

他にもあるかも知れない。

 

京都ってこんなのがコロコロ転がっているから、みんないちいち気にしていないw

 

 

すぐ近くに法住寺さんがある。

 

後白河法皇御所聖跡。

 

むしろ「親鸞聖人そば喰いの御像」や「四十七士木像」のほうが有名だろうか。

 

 

お伽噺が好きな方はそう言ったほうに興味を抱かれるが、信心深い方には「身代り不動明王」のほうが有名だろう。

 

こちらが正門のような様相だが、ボクは唐風の山門のほうがお気に入り。

 

 

京都宇治にある万福寺をはじめ、興聖寺など黄檗宗のお寺にはこのテの山門が多い。

 

法住寺さんは天台宗なのでインゲンさんには関係ないが、中華風の山門がある。

 

 

お隣にあるのが養源院。

 

 

浅井長政の菩提寺であったが火災にあい焼失、徳川家が再興していることから徳川家の菩提所も兼ねている。

 

もっとも、「養源院」と言えば皆さんのご興味は「血天井」と「俵屋宗達」だろうけどw

 

今回は行ってないよ。

 

先に言っとくww

 

 

境内をぶらぶら。

 

まだ紅葉が残っている。

 

 

血天井以外はあまり知られていないお寺なので人も少ない。

 

ここも京都の穴場の一つだろう。

 

 

意外に長い参道。

 

入口の規模から考えると思いもよらない広い前庭に紅葉が綺麗。

 

京都のすみっこにこんなお寺があると観光ブックにもあまり載っていない。

 

 

ずいッと進んでいくと奥に中門が見える。

 

 

中門の脇にも紅葉した楓があった。

 

 

こちらが本堂。

 

血天井俵屋宗達の杉戸絵・襖絵「白象」や「唐獅子」、「麒麟」などはこの中にある。

 

ま、散歩程度で拝観料はもったいないので今日はやめたけど。

 

つか、入ったところで写真撮影は禁止じゃなかったかなぁ?

 

 

血天井の話についてはこちらをご覧いただくとしよう。

 

伏見城の閉ざされた広間(徳川方50名の兵が自害した場所)の床を「二度と踏まれることが無いように」と天井にして供養したものが養源院や法泉院にある。

 

そして、彼らの鎮魂のために仏や浄土に関係のある襖絵が描かれたと言われている。

 

 

お寺を出ると黒ニャンコさんたちがのんびりしていた。

 

お寺のヌッコ様だろうか。

 

 

あまりにもくつろいでいるので、ひとなでだけして邪魔しないように養源院をあとにした。

 

 

こちら、蓮華王院(三十三間堂)の壁。

 

 

こちら、京都国立博物館の壁。

 

 

ちょ、待って。

 

煉瓦壁 明治28(1895)年

 

重要文化財

 

へ?

 

ああ、これも需要文化財なんだ。

 

普通にさわれるんですけど???

 

 

博物館の南側に回り込み、正面から全景を撮った。

 

ら、格子戸が邪魔なんですけど!w

 

 

少し歩いて方広寺。

 

 

久しぶりに「国家安康 君臣豊楽」を見たなぁ。

 

いや、ちょっと前にも見たかな?

 

そう言えば、昔、我々の教科書には「君臣豊楽 国家安康」と書かれていた。

 

 

だが、まぁ、普通に考えて、これが中国語や日本語(漢文)だとしたら、「国家安康 君臣豊楽」が正しいわなぁ。

 

意味的には「国民は家と康の間に安(家にいる女性の意)を挟んでお家騒動や暗殺をのぞんでおり、さいごには豊臣家が楽になるのだ。」と言われるほうが判りやすいのだが、べつに「豊臣が楽になるには家康の首をはねたらいい」でもどちらでも意味は通る。

 

時代と共に教科書も変わって行くが、こういうところも「縦書きの文章は右から読むんだよ」とツッコミを入れた御仁がおられたのだろう。

 

ま、世の中ヒマな人もいるもんだ。

 

そして、そう言うヒマな人が意外と文化を支えているから不思議だと思うよ。