信号待ち。
青になって、渡りだすまわりをぼんやり見つめ、涙が流れた。
歩き出せなくて、座り込む…その時。
誰かに腕をつかまれた。
ゆっくり顔を向けると、彼がいた。
どうした?なんでこんなとこに…?
あ…。お疲れさまです。えっと…。
それ以上なにもいえず、うつむいて…。
驚いた顔。でも、何も聞かず…
行こうか。
手を引いて、歩き出した。
彼の車に乗せられ、走り出す。
ちょっと寄りたいとこあるから付き合って。
ずっとうつろな私は、返事もしたのかどうか…。
着いた。ちょっと降りよう。
街を見下ろす夜景。
季節がクリスマスイルミネーションで彩られた景色は、いつも以上に輝いてる。
今日からライトアップなんだ。
実は俺の仕事…だったりして(笑)
空気がピンとはりつめているなかに、あったかい光がキラキラ。
さっきとは違う涙が流れた。
きれい。
ありがとう。誉められた。
ここは、俺しか知らない場所なんだ。
一番頑張った自分にご褒美。
君はラッキーだね。
彼はいつもより饒舌。
寡黙な人なのに。気を遣ってくれてる。
ありがとうございます。
やっと出た言葉。
元気…少しは出るかなと思って。
うなずくことしか出来なかった。
そうだ、コーヒー飲みにいこう。
やっぱり寒いな。
…待ち合わせ、したんです。いつもの店で。コーヒー飲んで、店を出て…。ホテルに行って…
ちょ、ちょっとストップ!!言わなくていいよ。
ホテルに行って、やろうって。顔も見ずに、体目当てで呼ばれたんだってわかって…。理由を聞いたんです。なんでこんなことするの?って。
もう別れようって。
何言われてるのかわからなくて、聞き返したら、いいからやろうって。また…。
そこらへんにあるもの投げつけて、逃げて、逃げて、逃げて…走って、走って、気付いたらあの交差点にいて。
俺がみつけたんだ。
いつも元気で笑ってる顔しか見せたくなかったのに、涙なんて…私じゃない。一番見られたくないとこ、一番見られなくない人に見られちゃった…。
肩を引き寄せられ、胸をかしてくれて、彼は言った。
こうすれば、見えないよ。
泣きたいなら、ここで泣けばいい。
誰も見てない。誰にも見えない。
だから大丈夫だ。
涙が止まるまで、ずっとそばにいてくれた。
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どっぷり…。