昨日、50銭銀貨の赤さびを取る作業をしましたが、

その作業の後の銀貨の表面を見ていて、次のように感じました。

『そういえば、あの疑惑の貿易銀(明治8年)の表面状態とすごく似ている』

 

話は、数カ月前に遡ります。

貿易銀(明治8年)と書いてある銀貨と、

明治11年と書いてある銀貨を買いましたが、

重さを量ったら、下記のような状況でした。

 

左の貿易銀の方は、数字が見にくいですが、26.83と書いてあり、

日本貨幣カタログには、貿易銀は27.22gと書いてあり、この貿易銀は少し軽いです。

 

そして、東京のコイン商さんに持って行き、見ていただいたところ、

明治11年の方は、重さを計ってすぐに「これは違いますね~」という結論が出ました。

貿易銀の方は、結構念入りに時間がかかり(確か、5分くらいは、奥の方で調べてくれていました)、

「これは、私たちの基準では、本物に入らないですね~」とのことでした。

(慎重に言葉を選んで話されていると感じて、5%くらいは可能性があるかなぁと思いました)

 

なお、重さを計ったときと、コイン商さんの結論を聞いたときは、だいぶ落ち込んでいましたが、

人って、すぐ忘れちゃうもんですね(笑)

 

本題の貿易銀の方ですが、実際の写真(実際は動画の一部)は、下記のとおりです。

(貿易銀の面は、光の加減を少し変えて2枚撮影しています)

 

下の写真は、昨日、赤さびを除去した50銭銀貨ですが、

表面の状態が、疑惑の貿易銀(明治8年)とそっくりであることに気づきました。

 

写真を撮った時の光の状況が異なり、貿易銀の方は実際と違って茶色くなってしまっていてわかりにくいんですが、

具体的には、

貿易銀と50銭銀貨の両方に、

薄い、ゴミのような灰色の層が一部にうっすらと存在している

(一部が、曇っている感じ)

という点でそっくりだと思いました。

 

その層は、

貿易銀の方は、菊紋、菊葉、桐葉の周囲に付いています(中央の平地には付いていません)。

50銭銀貨の方は、左の銀貨だと、”十”の字の左下と右上の方にあるのが見えると思います。

(この層は、赤さびが無かった部分にも存在し、赤さびの下にも存在していました)

 

貿易銀の方も、数カ月前に、同じ液体でその層を取ろうとしたんですが、ぜんぜん取れませんでした。

 

下の表は、日本貨幣カタログの情報と、その貿易銀と明治11年の重さです。

下の写真は、私が持っている銀貨です。

 

一分銀も一枚持っていますが、印象としては、

銀の品位が低いほど、表面の光沢(光の反射力?)が弱い、ということです。

 

つまり、銀の品位が低いほど、時間が経つと、

ゴミのような灰色の層が付きやすいのではないか?

 

つまり、疑惑の貿易銀の銀の品位は、50銭銀貨程度である、ということかなぁ。

(私が持っている円銀には、そのような曇りは、付いていないんだよなぁ)