車で走ること20分。

お見合いのような会話から始まった二人の緊張も解けはじめ、徐々に会話のテンポがあがる。

「へぇ、偶然だね!オレもそのアーティスト好きなんだ!」

好みの一致で、盛り上がる会話。

「意外ですね、なんかまじめそうなのに」

「そう?ハハッ、見た目はねぇ」

しょうがえくぼを作って笑う。

「中身は不真面目だよ、部屋も汚いし。結構てきとーだし」

「ふふっ。そうなんだ、意外」

夜のドライブ。

彼氏じゃない男の人とふたり。

イケナイ状況に罪悪感を覚えながらも、みゆきの胸は高まってきていた。

(…ドキドキする…)

みゆきの頬は、夜の闇に隠れながらも、高潮していた。

つづく

「ドキドキする…」

みゆきは、無意識につぶやいた。

携帯片手に、待つこと5分。

指先が冷たく、感覚もなくなってきている。

「どんな人なんだろう」

つぶやく口から白い息。

30分前、半年付き合った彼氏と大喧嘩。

腹いせに出会い系サイトに登録、会うことになった。

「本当に来るのかな…怖い人だったらどうしよう」

登録した時はなんともなかったのに、いざ会うとなると緊張する。急に帰りたくなってくる。

「……みゆ、さん?」

突然後ろから男の人のこえ。ビックリして声がひっくり返ってしまった。

「しひっ……しょう…さん?」

「うん、しょうです。良かった、会えて。冷やかしならどうしようかと思った」

細身の身体にしっかりフィットしたスーツ。

髪もしっかりセットしてるが、エア感のあるセットでかなり爽やか。

(ビックリするほど普通の人。こんな人でも出会い系するんだ)

みゆきはしょうの顔をじっと見つめる。

「どうしたの。そんなに見られると照れるよ」

人なつこい顔で笑いかける。えくぼがとても可愛い印象を与える。

「寒いね、どっかいこうか。車だけどイイ?」

「あ、はい」

誘われるまま、助手席へ乗るみゆき。

隣の彼を見つめる。

(フツウどころか……)


(……結構イケメン…?)

つづく