浅田次郎は読んだ事がない。

だから映画『鉄道員(ぽっぽや)』をテレビで見た時のイメージしかない。


なんつうか、おじさんのための身近なファンタジー。

そんなイメージ。

高倉健が寡黙な中高年を演じてるだけで、おじさんのノスタルジーを誘うって感じぃ。

という偏見しかないわけなんだけど。


で、映画『地下鉄(メトロ)に乗って』の話。

浅田次郎原作と昭和30年代をウリっぽく宣伝してて、

ネットで鑑賞券プレゼントという企画があったので、深く考えずに応募ボタンを押してしまった。

たまには劇場で映画見るのもいいかも。

相方と2人で見れたら見てもいいし。

相方は邦画は見たがらないけど、堤真一は好きだから。


で、当選して鑑賞券が2枚届いた。


で、届いた翌日に知ってしまった。

映画は不倫のカップルの話らしい。


げっ、相方と見るどころじゃないじゃん。

映画を見る事自体が“ちょっと勘弁して~”だ。

映画もドラマも浮気とか不倫とかありふれた題材。

だから見たくないんだよ、ドラマも映画も。



でも、せっかく当たったんだし、1人で見に行った。


う~んとね、楽しくない。

不倫を除いても、たぶん楽しくないと思う。


自分が生まれる前の親の姿を知る、それは悪くないテーマかもしれない。

タイムスリップして、若き日の父親に会う。

それも何度もタイムスリップして、昭和39年だったり、21年だったりの父に会う。

忌み嫌っている父親の若き日の姿を知って、心が動いていく。


そしてなぜかそこには不倫の恋人もタイムスリップしてる。

なぜ、その役回りが不倫の恋人じゃなきゃいけないのか?

もう、そこでつまづくと感情移入ができるわけもなく、

どうにもねぇ。


なぜ不倫の恋人かは、後で理由が明らかになるけれど、

それでも私は納得できなかった。

なぜ不倫してるのかが全く説明なしで、

妻の心情も描かれない。

死が近い父親を前に自分をさかのぼっていく旅の同行者が、

妻ではなく不倫相手だって事がねぇ、

どうにもねぇ。


結局、不倫相手の女性が“親の幸せ”より“愛する人の幸せ”を選んで、

過去の自分を抹消しちゃうわけなんだけど、

抹消の仕方もねぇ、

賛同しかねるのよねぇ。


結果、未来が変わっちゃって主人公の男性は不倫相手の存在しなくなった世界に戻って、

不倫そのものがなかった事なわけ。

最後に楽しそうに息子とキャッチボールしてるカットなんか入っちゃって、

でも妻は一切映らない。

妻には何の役割もない。


不倫相手の女性が自らを抹消するやり方に、

引く男性は少なくないみたいだけど、

なんだかやっぱり、おやじのためのファンタジーっぽいかも。

あと自分が親の立場になっちゃったせいで、

自分の愛を貫く不倫相手の女性よりも、

子を失う親の悲しみの方に気持ちを重ねてしまう。

なんか後味が悪くてねぇ。


気が向いたら原作も読んでみよう。

でもわざわざ買うのもなぁという気もするので、

図書館でも行ってみるか。


地下鉄(メトロ)に乗って/浅田 次郎

¥540
Amazon.co.jp

ちなみにもう1枚の鑑賞券は相方に渡した。

「人にあげてもいいし、自分で見てもいいし、好きにして」って。

会社の社員さんにあげようとしたら、

「日本映画は見ないから」と断わられたので、そのうち自分で見るらしい。


主人公と恋人の間柄を「どうせ○○なんでしょ」と勘のよさを発揮して、興味なさげに軽く話していたが、

不倫の恋人だというのはまだ知らないみたいだ。

不倫した男の立場で見るとより重く感じられて、泣けるんだろうか?


果たして、感想を語る時に“不倫”を避けて語れるか?


早く相方に見てほしいような、見てほしくないような・・・。


↓フラッシュが多すぎて何度も見るとちょっと・・・

『地下鉄(メトロ)に乗って』公式サイト