4月下旬、花見でにぎわう公園で、

子供と2人でレジャーシートの上で焼きそばを食べていた時のこと。


「なにやってんだよ、おめえはよっ」


相方が私によく吐き捨てるのと、同じセリフが聞こえてきた。


でも、聞こえてきたそれはなんだか優しさにあふれていた。


見ると大学生くらいのカップルがレジャーシートを広げようとしていた。

女の子が何かやらかして、男の子がツッコミを入れたみたいだった。

笑顔でレジャーシートに座ったカップルを眺めていて、気付いた。


あれ?


“おめえ”って、そういえば方言?


相方が私に特に怒った時に私を“おめえ”って呼ぶの、方言が出てるだけ?


私は標準語系なので、私と話す時は相方も標準語。

でも怒って、感情が乱れると方言が出るってこと?


別の機会に相方にさりげなく聞いてみたら、

「親にそう言われて育ってきたから」との答え。

怒って方言スイッチが入るというよりは、

身をもって体験してきたセリフをそのまま吐いてるみたいだ。



んー、でも言葉ってやっかい。


標準語系で育った私は、

どこの方言であれ、怒って方言で怒鳴られたら、

怒鳴ってる方にその気がなくても、たぶん怖さ倍増。


“おめえ”もここの人間にとっては普通でも、

私にとっては“あんた”と呼ばれるよりも相手が不快感を示してると思って、

すごくショックを受けた言葉だったんだけど。


言葉って、感性の問題じゃない?

慣れで多少は克服できるけど、溝は決して埋まらない。


以前、ここの県の出身の女優が料理系トーク番組で食事した時に「うまい」と言ったらしく、

新聞だったか「女性なのにはしたない。おいしいと言えばいいではないか」とかなんとか投書が載って、

ここの県じゃ「うまい」とか「うめえ」って言うんだから、

投書した人も掲載を決めた人も標準語の人なんだろうなと笑ったけど、

私は他人を笑える立場になかったのね。


「早く食え」とか言われると、正直、ムッとする。

でも“食う、食え”って、ここじゃスタンダード。

アイスクリーム屋で女子高生が「食えねえ」って笑ってて、正直、イヤな感じだと思った。

でも彼女達、方言で話してるだけ。

東京の女子高生が言うのとは違う。


それに相方を標準語で責める私の言葉を、

相方は冷たさ倍増、憎さ二乗とかに無意識に感じて受け取ってる可能性もあるわけだし。

言葉が違うとマイナス面が増幅されてるのかも。


まー、どっちにしろ相方が大いに不快感をこめて、

「おめえ」と私を呼んでるのには変わりないのであるが。