「明日また友達が来ることになったから」と相方。


で、またこれだけ。言う時間的には寝る前より早くなってはいたんだけど。


この4週で3回も“東京からの来訪者”があって、それを告げる態度はちっとも変わらない。

前々回の時に騒動になったことが全然その後に活かされてない。


その後も何か話してくれるかと待っていたけど何もなし。

それどころか体調が悪いせいか思うところがあるのかいつもより静か。



寝る前に相方が温泉旅行の話を楽しそうにしていたので、

聞くのを迷ったけれど、それだけ元気そうに話してれば眠いからと言って逃げないかと思い、

最後に、飲みに行くことについて他に何も言ってくれないのか聞いてみた。


「もう眠いからおやすみ」


今の今まで温泉の話してたのに、急に寝ようとする。


「飲みに行く以外に説明ないの?」


「眠いから」


もう眠くて話が出来ませんっておかしいよ、今まで話してたでしょ。


「なんで何も言ってくれないの?」


「いつも疲れてる時に限ってそういう話かよ」


「自分に都合が悪くなったから眠いとか疲れたとか言ってるだけじゃない。

今の今まで自分の方から温泉旅行の話してたでしょ。

本当に疲れててツライなら寝ればいいでしょ、話なんかしないで」


「じゃあ、もうしねえよ」


私は先週何も聞かなかったし、たまってたことをぶちまけた。ひとりで話し続けた。

相方沈黙、沈黙、沈黙。


「何で毎週友達の事で泣かなきゃなんないの」


「毎週じゃねえだろ!」


そういうとこだけ、口出さないでよ。

4週のうち3週も東京から飲みに来れば、毎週って表現したっておかしくないわよ。


その後も泣きながらしゃべる私と、沈黙し続ける相方と。

そこからさらに時間を要して、やっと相方は起き上がった。

ティッシュの箱を私に渡して、そのまま長い間隣りにいた。


「愛してるから」


その言葉、ありがたく頂戴しないといけないのはわかってる。

君は「愛してるは嘘じゃ言えないから」と言っていたし、「君にしか言ってないし」とも言っていた。

でも今、聞きたいのはそういうことじゃないんだよ。


「またその作戦なんだ」


「何、作戦て」


「そう言って私を黙らせる作戦」


またいくらかの時間が流れる。


「(友達を)来させなきゃいいんでしょ」


それって彼女の時も聞いたセリフだね。


「そういう問題じゃないって何度も言ってるじゃない。

友達が来るのがいけないなんて言ってない。

友達をなんで隠すのかって聞いてるの。なんで私には話せないのって聞いてるの」


またいくらかの時間が流れる。待ってる方にはかなり長い。



少しずつ相方は話し始めた。


一緒に悪い事した友達だからやっぱり話しづらいこと。

「やっぱり悪い事したんだ」

「ちょっとだけ。君は勘がいいし、頭もいいからすぐわかっちゃうよね」


去年来なかった友達が今年になって来てること。

「あぁ、去年は彼女が優先だったから?」


「優先っていうか・・・」


「っていうか、何?」


「うーん、友達はほとんど来てないんだ。Sくんたちが来た時もあったけど」



!!!


不倫を告白した後も嘘をついていたのだ!


“東京からの来訪者”はほとんど彼女だった!


私は相方からの飲みに行きますメールで、

“東京から友達が遊びに来た”と“東京から遊びに来た”のケースは別々だと解釈していた。

“誰が”がない時の方が多かったのでそれは彼女で、“誰が”がある時は友達なんだと思っていた。

告白後の話でもそれを裏付けるような感じだったし。

私だって2005年10月以降の連泊は全て彼女だと思っていた。

でもその前は連泊じゃなかったので判断がつかなかったし、本当に友達も来てたと思っていた。

じゃあ、9月に私と同じ日に別の新幹線に乗ったのも彼女だった?


「じゃあ、ほとんど彼女だったんだ」


「また君はすぐにわかっちゃうね」


ほとんど友達は来てないって聞けば、誰だって彼女だってわかるよ(>_<)


「ごめん」


告白後も嘘をついていた。

今度は私が長い沈黙。


「じゃあ、友達が来るのが減るっていうのも違うのね」


「うん、去年友達がいっぱい来たことにしたから、そう言った。これからは増えると思う」


告白後も嘘をついて、つい先週も嘘に合わせて取り繕っていたわけだ。


「これからは友達の話もするから」



「去年、遊びに来てたのが彼女ばっかりなのを嘘ついてたってことは、

東京にいた時、飲み会の後だけ彼女に会ってたって言うのも嘘でしょ。

彼女に会うために出かけた日もいっぱいあるんでしょ」


「そりゃ、多少は」



告白後も嘘をつかれてた。

私の中でまた何かが欠け落ちた気がした。

もうどうせ元には戻らないのだ。いくら欠けても一緒かもしれないけど。



「彼女とはどうなったの? 2ヵ月経ったから一応聞くけど」


「・・・」


「変わらないってことか」


「向こうも気付いてきたみたいだし」


「それ、こないだ聞いたけど。3週間前から何も変わってないってことね」


「・・・」


「向こうも気付いてきたって、何を気付いてきたの?」


前回“向こうも気付いてきた”と聞いた時も思っていた。

何に気付いてきたの?

彼女をもう好きじゃない? 遊びだった?

なんとなくそんな答えを期待してしまっていた。


「こっちに続ける気がないって」


そうか、うまい答えだな。

私的には“彼女の事が好きじゃなかった”とか言ってほしいところけど、

そんなわけないものな・・・。


「それとなく言ってるし」


“それとなく”か・・・。

君は彼女に「別れたい」なんてひと言も言ってないんだね。

まるで別れたくないみたいだよ。


「でも普通にメールしてて、付き合ってるのとあんまり変わらないんじゃん」

「・・・」

携帯私に見せられないよね、そりゃ。

別れようとしてもめてるメールならともかく、「別れよう」も「別れたい」も言ってないんだから。


「もう会ってないんだよね?」


「会ってない」


2ヵ月会わなくても、まだもめずに付き合っていられるなんて、ずいぶん深い絆だな。

私が彼女ならとっくに逆上してる。

相方は何を言ってるんだろう?

甘い事を言わなきゃ、そんな関係続かないんじゃないの?

甘い言葉なしでも続けられるほど深い関係が築けてた?

信頼されてる?


いまだに逆上しない彼女にちょっと興味を覚えてしまうよな。



不倫告白後も嘘をつかれていたこと。

その嘘に合わせる為の嘘をさらに何度もついていたこと。

そして、2ヵ月経っても1ヵ月前と彼女とほとんど変化がないこと。


やっぱり傷つく。