週刊日曜ブログにしてからというもの、1週間の過ぎゆく速さが、加速度を増す。

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 神様が言う事を聞いてくれたと見え、トイレの夢は消えた。
 が、相変わらず夢の中で困っている。 

 学校の中で、何故かパジャマでうろついている。着替えが置いてあるはずの教室に戻れな
いのだ。確かこの棟の教室だったかな?と思っても目当ての教室には辿り着けない。
 仕方なく、そのへんの女子に尋ねると、返ってきた返事にびっくり仰天!?

 ああ、その教室は沖縄ですよ。

 私の目玉は漫画のよくあるシーンのようにびょーんと飛び出てしまったと思う。
 一体どうやって沖縄まで行ったらいいんだよ~
 心底、困り果てている時に、又あの言葉が…
 これは夢じゃない?
 そうなると私も学習するようになったとみえ、必死でそのセリフにすがる。
 そして、めでたく目覚めるのだ。

 現実もこうならないかな。窮地に陥ったら、「これは夢じゃない?」と何度もつぶやくのだ。

 まあ、寝言は寝てから言え、で現実世界で頑張るしかない。

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 それにしても、夕べは 
珍しくいつまでも眠れなかった。いつの間にか空が白々と。
 こんな事はめったにない。 
 コーヒーを飲んだわけでもなく、持病のムズムズが起きたわけでもない。何故だ何故だ、と考えた。

 そう言えば、寝る前に本を読んだ。

 「あきない世傅金と銀」 ついに十三巻、最終に入っていたのだ。
 九歳で女子衆(おなごし)として奉公に
上がって以来、波瀾万丈の人生を送ってきた幸(さち)の行く末が気になり、一気に読んでしまった。

 全十三巻を通して伝わってくる幸の賢さに胸を打たれる。

 商売の浮き沈みの中で味わう挫折感に加えて、大事な人を亡くしたり、愛する者から手ひどく裏切られたり、と何度も襲ってくる苦難を乗り越えるのは、賢さだ。

 そんな幸のそばには、いい人物がたくさんいる。主従の関係であれ、仕事の仲間であれ、そして生涯の友であれ、数え切れないほど多くの登場人物がいて、皆、誠実でお互いに支え合っている。
 仕事に対して誠実、人に対して誠実。
 至る所で感じる、賢さと誠実さがこの作品のテーマだと思った。

 ものすごいスピードで終わりまで読んでしまったので、読み終えた後も脳の回転が止まらなくなってしまったのだ。これが不眠の原因だ。
 と、思う‥

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 寝不足のまま、コンサートに出かける。

 これまで何回も聴いたピアニスト、山下さんのリサイタルで、彼女は声楽のレッスンに通っている鈴本さんの伴奏者だ。
 プログラムが一新されているのに驚く。

 バッハの「平均律」から始まり、ラヴェルやガーシュインなどの大曲が並ぶ。

 遠い昔の話だが「平均律」はインヴェンションの曲集を終えた途端にやらされた課題だ。四声、つまり4つのパートがタイミングをずらしながらメロディ(テーマ)を奏でていく対位法の形式で書かれた曲だ。
 二本の手で4つのパートを演奏するという離れ業だ。
 ソプラノ、アルト、テノール、バス、と順に聴こえてくるテーマを追って、うん、四声ね、と思ったその後に、ン?と耳をそば立てる。何かもうひとつ聴こえてくる。もしや…
 弾き終えたあとの山下さんのトークで
、やはり五声だとわかった。
 この平均律が大好きで一巻ニ巻全部勉強しましたという山下さん、恐るべし。

 ラヴェルの「道化師の朝の歌」
 伊達男がルンルンと朝帰り、といった感じの曲なんです、と観客を笑わせるが、実際の曲は、五声の平均律と同じく、練習していて頭がおかしくなりそうな超困難な曲だ。

 思い出すのは音大の四年の試験でこれを弾いた時の事。
 本番に弱い私は、あがってメロメロになるのが心配で、近くの薬局に駆け込み、精神安定剤を買おうとした。薬局のおじさんがくれたのは錠剤一粒だけ。もしかしたらビタミン剤か何かだったのかもしれない。だって医師の処方箋もないのだから。

 が、飲んだら効果てきめん。暗示にかかりやすいんだなあ。
 精神安定した結果、かーっとあがる代わりに何とも盛り上がりに欠ける無気力な気分でピアノの前に座って困惑していた。
 
 そして、どんな演奏をしたのやら全く思い出せない。
 集中力のかけらもなしに弾ける曲ではない。あまりの悲惨な結果に記憶が消えてしまったのだろう。

 こんな難曲を山下さんは見事に演奏した。
 私はこのまま五十年前の記憶を消したままにしておく事にした。

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 ハルから回ってきた恩田陸の「スプリング」を読み始めた。 

 「あきない世傅金と銀」とは正反対の読み方をしている、と気がついた。

 恩田陸と言えば、最後に読んだのは「蜜蜂と遠雷」だ。
 ピアノコンクールに挑む若い人ピアニストたちの様子がモチーフとなっていて、作家の取材力に驚嘆した作品だが、今回もその手の作品かもしれない。

 登場人物は、今度はバレエ学校の生徒たちだ。
 「あきない…」は夢中で物語の展開を追って読んでいたが、「スプリング」は、ストーリーに追われる事なく、文章を辿っている。味わっている。そして面白いのだ。
 何がどうなって、という物語の展開よりも、場面ごとに描かれている主人公Jun(純)とその同級生、Junは彼をヤツと呼んでいるが、二人のやり取りや、バレエの様子など文章ごとの表現に満足しながら、ゆったり読んでいる。

 少し厚めの単行本だが、これで又しばらく楽しめる。

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 「残り時間の中で」

 これはI高時代に書いた、図書館報の巻頭エッセイのタイトルだ。

 残り時間とは、父の残り時間の事だ。
 いい夢を見た、と父が電話をかけてきたのだ。みんな居るんだよと、うれしそうに話す。
 今から40年も前の事だ。

 あの時、強く感じるものがあって書き始めたのだが、今思い出せば、更に父の気持ちがわかる。なぜなら…
 
 また夢を見たのだ。
 いい夢だった。
 みんないるのだ。娘たちが。
 シャンプー剤とか、コーヒー豆とか、みんなでワイワイ言いながら分けている。
 その前日の夢には父が出てきた。

 久しぶりにいい夢を見たところで、そして週刊ブログ夢日記にならないうちに、夢の話題はおしまいにしよう。

 残り時間とは、もはや私の残り時間の事になったのだから…⏳

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 ヴィレッジでの歌う会。先月のコンサートが遠い過去になっている‥

 伴奏者として新たな出発だ。
 何曲か楽譜を預からせてもらう。
 今度は時間がある。YouTubeを聴いてじっくりプランを立てよう。
 一人バンドだ。
 お〜っと浦島さんがいたんだ!