ヤンキースのジャッジが、ようやくホームランを打った。61号、リーグ記録に並んだ。メジャー記録は、まだまだ上がいて、バリーボンズの73本という驚く数字があるそうだ。場外ホームランでサンフランシスコ湾に落ちたボールを、待ち構えていたファンが手こぎのボートで取りに行く光景が、たびたび映像で出た。
 
    私も、安静期間中にいくつか記録を作った。が、すべてワースト記録だ。
    ゆうべ、入浴後に久しぶりに足の爪を切った。手の指は、少しでも伸びると切っておかないとスッキリしない。足は平気で放っておく。が一ヶ月は記録だ。さすがに切り終えた時は気分爽快、ここまで腰をかがめたのにびっくり。そう言えば、洗顔も、猫洗いから脱して両手で水をすくうようになった。
 
    一番のワースト記録はピアノを弾かなかった日数だ。何と一ヶ月を越す。かつて高校の修学旅行を前に、せっちゃんと二人で、4日も弾かないなんて、と悩んだというのに。
 
    中学の夏休みの時、自分はいったい、どれくらい練習しているのだろう、とグラフをつけてみた。記録は9時間15分。食事とトイレ以外はずっと弾いている気分だった。が、中村紘子は14時間、と誰かに聞いた。
    一度体験してみたい、14時間の練習を。午前に5時間、午後に5時間、残りは夕食後に?うへー4時間!!寝るのは夜中だ。
    これだけの時間を毎日練習したら、ショパンのプレリュードだって、ソナタだって..と思わず夢心地になったが、いやいや、と現実に引き戻す。
 
    練習0の代わりに今、頭の中は、『鉄骨人間』と『爽やかな部屋』で一杯だ。医者からOKが出たら、毎日運動、毎日掃除だ。
    まあ、密かに助走は始めているけれど。
 
    怪我の功名、転んでもただは起きない。面舵いっぱーい!と新生活に舵を切る。
 
    ただ、練習0の生活もここまでだ。『お気楽コンサート』が近づきつつある。皆さん、一生懸命練習して参加します、と幹事長の下田さんからメールが来たのには本当にうれしかった。
    たとえ曲の途中でも、いま弾ける所まで、お互いに聞きあって、練習の苦労を分かち合う。身内同士の、文字通りお気楽なひとときなのだ。
   私もソロは無理だが、ゆるゆるとした伴奏で参加します、と下田さんに伝えてある。
 
    そろそろピアノ日記の再開だ。