骨が落ち着くまで、二ヶ月かかる、という医者の言葉だったが、ようやく一ヶ月を越した。こんな時は、時間の流れが遅い。   
 
    ただ安静に、と言うだけでなく、もっと具体的にアドバイスはないのかね、と思う。
   「あの、小魚ポリポリとか食べてるんですが、」とか水を向けても、ああ、そりゃあもちろんいいですよ、そういうのはね、で終わってしまった。友人から、スキムミルクがいい、と聞いたのはそのあとだ。
    私が医者なら、安静にしててもできることの第一として、小魚ポリポリに加えて、スキムミルクを摂りなさい、と教えてやる。それとも、スキムミルクがいいなんて知らないのかな、あるいはそんなのはこれからの注射の治療薬に比べたら、たいした事ではないのかな。
    まあ、医者の指示を守るとして、更に自分の骨は自分で守る、という方針でいこう。
 
    ポタージュの粉末をスティックの半分使い、そこにスキムミルクを小さじ山盛り二杯、ぬるま湯で溶いてからお湯を足して飲む。コーヒーを飲むにもクリープがわりに、ちょっと不本意だけど。夕食には朝の味噌汁の残りに又、どっと入れる。極めつけは、魚の缶詰の残り汁に入れてお湯を足して飲む。旨い!
 
    「午前の紫外線」も、忘れずに浴びる。
   あとは運動だけだ。次の診察まで、あと一週間。測ってくれないかなあ、骨密度!
    診察室に入るときに、どや顔にならないように気をつけよう。今、読んでいる「聞く力」(阿川佐和子)に習って、何とか医者からためになるアドバイスを引き出したい。
 
   いくら暇でも、テレビを観る時間は増えない。普段からたっぷり観ているからだ。
「しもべえ」の特別編が始まった。安田顕の演技が可笑しくて毎回観てたドラマだ。主人公の相手役たっちゃんを演じるのは、金子大地という役者で、当初はあまりイケメンには見えなかった。それが「鎌倉殿の13人」の頼時を演じているのが、なかなかしまった顔つきで、見直した。メイに話してみると、他にもいると言う。前々回討たれてしまった畠山を演じた中川大志なんかも他のドラマでよりもぐっと良く見えるらしい。そう言われれば、実朝も、はかなげな美男子だ。小栗旬と坂口健太郎に至っては言うまでもない。あと三ヶ月で終わってしまうが。
 
『お気楽コンサート』いよいよ来月だ。這ってでも行こう、と思っていたが、この調子なら、這わずに行けそうだ。今回は、ひたすら聴き役だ。 
     
     九月が終わる。