休止期間は堂々と読書期間だ。柳瀬さんから借りた「さよならドビュッシー」(中山七里) を 読む。サスペンスなの?と聞くと、サスペンスだ、とちょっと意味ありげな感じの答えかたが気になるが、読み始めた。主人公はピアニストをめざす女子高生。タイトルからも何となく想像できたが、ピアノの演奏がモチーフとなっているので面白そう、と読み進んだ途端、とんでもない事が起こる。家が燃える大火事で祖父と従妹を失い、自身も炎に全身を焼かれ絶命寸前の大火傷を負う。
   これがこの物語の始まりなのだ。
 
   次々と事件が起こる流れの中で、ピアノ教師が彼女に施すレッスン、そして体が不自由な状態で厳しい練習をやり抜く彼女の様子に目が離せない。
 
   休止期間にゆっくり読もう、なんて思ってたが、あれよあれよというまに読み終わってしまった。
 
   ネタバレしては、これから読む人に申し訳ないので、伏せておくが、最後に「やられました!」満塁ホームラン打たれて逆転負け、くらい、いやそれ以上にショックな結末だった。見事に騙された。やはりこれはサスペンスだった。
 
    何日か前に宮部みゆきの「黒武御神火御殿」を読み終わったところだった。宮部みゆきからしばらく離れていたが『三島屋変調百物語』のシリーズは第一作を読んだことがあり、買ってみた。600ページの長編だから、ゆっくり楽しめると思ったが、馴染んだ作家の本は進むにつれ加速度が増し、早く読み終わってしまう。
 
    初めての作家は読み始めて軌道に乗るまで時間がかかるが、この中山七重という作家はピアノ演奏に詳しい、本人も弾くのかな、と感じさせる描きかたで、スイスイ読んでしまった。
 
    また、手元の本は空っぽだ、と思いきや、あるのだ実は。
    何と「宇宙兄弟40巻」で尽きてしまったが、待望の41巻が出たのですぐ買う、が読まない。読んでは次の巻を待つまでが長いのだ。「ガラスの仮面」でも何巻も待ち続けたものだ。もっともこの作品は、いまや宙ぶらりん、幻の名作になってしまったが..
    そしてまだストックはある。「ここは今から倫理です」も温存してあるのだ。
 
    そろそろ解禁といこうかな。