今日、娘を連れて近場へ出かけた。

 

娘はお腹が減ったのか、

 

暖房がききすぎて不快だったのか泣き出してしまった。

 

時折、アーと叫び、私は周りを気にした。

 

 

 

そこへ中学生の女の子が出くわした。

 

 

『そんなに泣かなくていいんだよ〜』

 

 

娘の泣いている顔をのぞきこみ、

 

たっぷりの笑顔と柔らかい声で娘へ声をかけてくれた。

 

私は、『ありがとう』と女の子に伝え、

 

娘に向かって

 

『うれしいね。お姉ちゃん、声をかけてくれたよ。バイバイしようね』

 

と言った。

 

うれしい気持ちで帰路へついていた。

 

一旦泣き止んでいた娘だったが、しばらくするとまたぐずり始めた。

 

『あーっ!』という声とともに走って近づいてくる音がした。

 

振り返るとさっきの女の子だった。

 

帰り道が同じだったようで、娘と私に気づき走ってきてくれたのだ。

 

娘がまた泣いていることに気がつくと、

 

女の子は頼り甲斐のあるお姉さんの顔つきで

 

かばんから何かを取り出し、娘に差し出した。

 

 

『これ、あげる』

 

 

見ると、「はなまる」と書かれているシールだった。

 

 

 

 

なんか、たまらなくうれしかった。

 

『がんばってるね』と声をかけてもらえたようで。

 

毎日笑って、泣いて、

 

機嫌がいい時も、悪い時も、どんな時もがんばってる。

 

はなまるシールはそんな娘のがんばりを認めてもらった証のように思えた。

 

不思議と娘は泣き止んだ。

 

『何年生なの?』

 

『中学校3年生です』

 

そんな会話を、娘は静かに聞いていたようだった。

 

 

 

別れ際、私は『バイバイ』と大きく手を振った。

 

たくさんのありがとうが伝わるように。

 

 

 

やりとりを思い出しながらブログを書いている今、

 

うれしさから目頭が熱くなる。

 

子育て、コロナ禍、、、生きるコミュニティが少し狭くなった今、

 

こういう優しさがたまらなくうれしい。

 

 

 

ありがとうが言い足りない。

 

本当にありがとう。

 

はなまるシール、母子手帳に貼っておくね。

 

 

 

空、今日もよくがんばりました。

 

 

 

 

______________________________________________

 

Photo Writer かどまどか  / Kado Madoka

 

 

上から読んでも下から読んでも、かどまどか。
撮り手で書き手。
主に旅、ライフストーリー、文化、家族をテーマに執筆。
教科書の教材やインタビュー記事も執筆している。
執筆テーマに沿った素材の撮影はもちろんのこと、家族写真も撮影。
写真ストックの中から写真提供も行っている。
中学校で命、生き方、国際理解をテーマにした出前授業も行う。

 

mail@kadomadoka.com

HP: http://kadomadoka.com/

Blog: http://ameblo.jp/kadomadoka-world-journey/

Instagram: https://www.instagram.com/kadomadoka_photography/

 

______________________________________________