出産のお祝いのメッセージをいただき本当にありがとうございます。

まだ全てに返信できていなくてすみません。

忙しなく、でも愛おしく毎日を過ごしています。

 

今日で娘の空は生後13日。

退院して家に帰った日の夜はそわそわしていて夜泣きもひどかったのですが、

次第に家にも慣れてきたようで、こわばった表情から和らいできました。

 

 

前のブログでも書いたのですが、私は助産院での出産を予定していました。

 

助産院って聞いたことはあるけれど、

実際にどういう場所か知っている人は少ないかもしれませんね。

 

それもそのはず。生まれる赤ちゃんの99%は病院でのお産なんです。

助産院や自宅での出産はたった1%。

その1%側のお産に目を向ける機会があり

子どもがもし授かれたら、私はある助産院で生みたいと願っていたんです。

1%のお産の現場が紡ぐ物語。知らなかった人に届くといいな。

 

 

私が通っていたのは、大阪のゆずりは助産院

 

 

院長は助産師の片山由美さん。

 

 

 

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(写真右が、ゆずりは助産院長、片山由美さん)

 

 

院名の『ゆずりは』は、若葉が出ると古い葉が落ちます。

その様が命をゆずり、つないでいく、

そんな想いを重ね合わせ、ゆずりは助産院と名付けたそうです。

片山さんのもとには、自然なお産を求める妊婦さんが集まります。

 

病院や診療所(クリニック)に比べ

よりアットホームな空間で臨むことができ、

バースプランの希望に可能な限り柔軟に対応してくださるのが

助産院での出産のいいところです。

 

しかし、助産院は医療行為は行えません。

助産院では、正常な妊娠・分娩過程の妊婦のお産しか扱うことができないんです。

安全に産むためにガイドラインが設けられ、

逆子や、帝王切開既往、多胎妊娠、血液型がRh(-)、疾患がある人など

リスクが高い妊婦さんは助産院では出産できません。

リスクが低い人でも何が起きるかわからない出産。

もしもの時もあるため、

助産院の開設には嘱託医師と連携医療機関の設置が義務付けられています。

 

なるべく医療に頼らず、赤ちゃんの生まれる力、お母さんの産む力に

委ねるため、心と体を妊娠期から整えることが大切と片山さんは言います。

 

健診には毎回1時間の枠をとってくださり、

赤ちゃんの状態の確認、保健指導、心のケアを丁寧にしてくださいました。

 

 

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私と夫が父と母になるために妊娠期に片山さんに伴走してもらいながら

自分と対話し、心と体を整え紡いだ日常の先に

どんなお産が待っているんだろうと心はわくわくしていました。

 

予定日の2週前の夜中に破水し、助産院へ入院。

朝の満潮に向かって陣痛が強まるも、

満潮を過ぎると何事もなかったように陣痛は遠のき、

また干潮を過ぎた夕方に陣痛が戻ってきました。

しかし、出血が多いことに気づき、

胎盤剥離の可能性も捨てきれないからと病院に救急搬送されることに。

 

救急車で運ばれている時、

助産院での出産が叶わなかった悔しさ・残念さから涙がこぼれました。

でも片山さんの『今なら安全に産めるから』という言葉で

すっと私のエゴを手放すことができました。

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無事に空が生まれたあと、片山さんが残したメッセージを読み、

うれしくて、あったかくて涙が止まりませんでした。

 

 

 
 
 
 
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昨日は、ものすごい大潮に導かれて、2人の赤ちゃんが生まれてきてくれました☆お一人は、病院でのお産になられましたが、元気にお産され、順調ならば助産院に帰ってこれるようで、もうお一人は、病院から戻ってしばらくしてからの満潮1分前に^_^ 本当におめでとうございます☆☆☆ お母さん、赤ちゃんの、そして自然のチカラを本当に信頼しています☆ お母さん赤ちゃんだけでなく、生きとしいける全てへの信頼。 あなたは大丈夫。 いつも誰と過ごしていても、ぽっ、と心に浮かぶ言葉。 だって、この地球に生まれてくるだけで、本当にすごいことだから。 本当はどうしたいのか。 本当はどうなりたいのか。 赤さんは、全部知っているし、それを五感でフルに感じとり、教えてもらいながらのお産☆ 赤さんは昨日もちゃんとすごかった☆ 搬送を受け入れてくださった本当に信頼できる素晴らしい先生と助産師さんたち、搬送してくださる救急隊の皆さん、もう1人のお母さんのお産をみてくれていた信頼できるスタッフ、どれひとつ欠けてもなし得なかった昨日感謝しかなく、ありがとうございます☆ 搬送って、お母さんやご家族にとっても私たち開業助産師にとっても残念に感じやすいのかもしれませんが、私はエゴを手放し、本当に安全に元気にお産していただくために搬送はあって当たり前だと思うし、お母さんたちにも、「がんばってー^_^ 先生も助産師さんたちも本当によくしてくださるから大丈夫」と、明るく送り届けさせていただくことが多いです☆^_^ 何も恥じることはないし、どこでどんなお産をしても、あなたの大切なお産です☆ ただ、私たちは温かく応援するのみ☆ #ゆずりは助産院

ゆずりは助産院 迎え人 片山由美(@yuzurihamw)がシェアした投稿 -

 

 

『どこでどんなお産をしても、あなたの大切なお産』

 

この言葉が、がんばったねって言ってもらったようで

本当にうれしかったんです。

 

悔いのない素敵なお産でした。

結果、胎盤剥離ではありませんでした。

言わずして、自然に産みたい私の気持ちを察してくださった

病院のスタッフの方々は、なんとか出血部分を圧迫し、

止血するまで待ってくださいました。

搬送時は帝王切開になるのは五分五分ですと言われていましたが、

自然分娩でのお産になりました。

尽くしてくださった先生方、助産師さん、心から感謝しています。

(担当してくれた助産師さんの一人は学生時代にゆずりは助産院で

 実習を受けた方だったというご縁も……)

 

 

出産は赤ちゃんとお母さんの命が無事なこと。

これが一番であることは言うまでもありません。

 

今回の妊娠、お産を経験して、

何かあった時には医療に守られ、安全性に加えて

心地よいか、大切にされているか、満足のいくお産か

という価値も同じくらい大切なこと。身を以て感じました。

 

何をもって安心なのか、満足なのかという価値観は十人十色。

どこで産むにしてもメリットやデメリットはあります。

高リスクになれば選択肢の幅も狭くなってしまいますが、

自分はどんな処置やケアを必要とし、

どうお産に臨みたいのか、

産前産後をどう過ごせたら幸せなのかを、

誰かの力を借りながら主体的に考える機会をもつことは

どの妊婦さんにも共通して大切なことのように思えます。

 

 

「10ヶ月はお母さんになるための心と体の準備期間。

 不安や不調で思い通りにならないことが多い妊娠期に、

 辛い時は辛いと悲鳴をあげ感情をさらけ出し、

 自分と向き合い、受け止めて、誰かの力を借りながら

 よりよい方向に向かってちょっとのがんばりを重ねてほしい」

 

そう妊婦に願う片山さんは、大切な妊娠期をサポートする一人として

助産師が活躍できると信じておられます。

 

 

助産師さんはお産のエキスパートでもありながら、

それ以外の女性に関することよろずや的存在でもあります。

育児、性、更年期、老年期、終末期などの相談もできるんです。

 

My助産師。

片山さんはこれからも私にとって心強い存在です。

 

感謝の気持ちで溢れています。

これからもよろしくお願いします。

 

 

 

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Photo Writer かどまどか  / Kado Madoka

 

 

上から読んでも下から読んでも、かどまどか。
撮り手で書き手。
主に旅、ライフストーリー、文化、家族をテーマに執筆。
教科書の教材やインタビュー記事も執筆している。
執筆テーマに沿った素材の撮影はもちろんのこと、家族写真も撮影。
写真ストックの中から写真提供も行っている。
中学校で命、生き方、国際理解をテーマにした出前授業も行う。

 

mail@kadomadoka.com

HP: http://kadomadoka.com/

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