後知恵バイアス
「起こると思っていた!」と、自分に予知能力があるのではないかと期待したかもしれない。
しかしその予知能力かもしれない思いつきは心理学で説明がついてしまう。
物事が起きてからそれが予測可能だったと考える傾向を「後知恵バイアス」という。
事件が起こったあとに書かれた予言や、「だから言ったのに~」などはおおかたこれである。
このような推論は実際の真偽が確認できないのに納得してしまうので注意が必要。
例えば、今回の原発事故で原子力専門家が情報バラエティーに出演し、
「こうしていれば事故は起きなかった。この設備では起きて当然。」と持論を展開したとする。
この専門家の持論は検証しようがない。しかし視聴者は納得してしまう。
自分の想像のみで推論し、納得できるのでとても都合がいい。
思慮の深い人はひっかからずに疑えるが。
このように後知恵バイアスは生活のありとあらゆるケースに頻発する。
これが個人単位の後悔で起こる場合はいいのだが、
事故や犯罪の原因分析に使われると、誤りであるのに納得してしまう可能性が高い。
しかも自分の想像の中での推論なので、想定外の事象になるとより誤りである可能性は高まる。
「後知恵バイアス」に騙されないためには、常に実際どうなのかに留意しておく必要がある。