昭和30年代の山口県防府市の田舎町を舞台に、空想好きの少女・新子と東京から来た転校生・貴伊子の交流を描いた作品。原作は高樹のぶ子、監督は片渕須直、声優は福田麻由子、水沢奈子、森迫永依、本上まなみ他です。
(2009年度:マッドハウス製作)
現代(昭和中期)と過去(千年前、清少納言の時代)をリンクさせたストーリーとなっていますが、構成が少し複雑なので、子供よりも寧ろ大人向けのアニメといえるかもしれません。前半から中盤にかけては無邪気な子供たちの言動が微笑ましく、美しい原風景の描写に癒されました。でも本作は単なるノスタルジー系ではなく、妙に生々しい汚れた大人の世界も描かれており、新子が大人たちに立ち向かうエピソードが後半に盛り込まれています。これは賛否が分かれる点だと思いますが、その健気な勇気に僕は素直に感動しました。そしてそれと同時進行で、貴伊子の空想(魔法)が描かれていきます。この構成が秀逸です。貴伊子と清少納言が時空を超えてシンクロし、新子と貴伊子の友情は永遠のものに…。良作でした。
(アニマックスで鑑賞)