豪雪地帯のとある村を舞台に、由緒ある名家に嫁いだ元芸者の女性が伝統ある「ゆきやま紬」の再興に尽力する姿を描いた作品。監督は松山善三、主演は高峰秀子、共演はフランキー堺、神山繁、小林桂樹、大空真弓、毛利菊枝等です。
(1965年度:東宝)
未亡人となったつね(高峰秀子)が親族の嫌がらせに耐えながら、女の意地を貫き通す様が描かれていきます。雪深い村の風景と、光と影のコントラストを活かした室内。映像は素晴らしいです。しかしながら前衛的な作風に馴染めませんでした。つねと使用人の治郎との仲を噂する村人たちの目をアップで映し出し、「奥さんと治郎が…」と繰り返しつぶやく演出は、まるで怪奇映画でも見てるような不気味さでした。それに後味も悪いです。デコちゃんは鬼気迫る熱演を見せてくれていますが、個人的には奇をてらわず、オーソドックスなサクセスストーリーにしてほしかったです。
(日本映画専門チャンネルで鑑賞)