東北地方の農村を舞台に、少女と馬のふれあいを描いた作品で、監督は山本嘉次郎、主演は高峰秀子、共演は藤原鶏太、竹久千恵子等です。
(1941年度:東宝)
季節ごとに4人のカメラマンを起用し、撮影に3年も費やしたこだわりの作品で、育てた馬に愛情を寄せる少女のひたむきな姿が感動を呼ぶ秀作です。ドキュメンタリータッチで描かれているシーンが多く、特に仔馬の誕生シーンが感動的で、馬の競売シーンにはリアリティーがあります。そして春夏秋冬の美しい原風景も大きな見所となっています。高峰さんは著書『わたしの渡世日記』の中で、「金とヒマをかけた前代未聞の超大作であり、私の少女時代の代表作だと言われているが、初めての東北弁が難しかったくらいで、ことさら意識した覚えはない」と語っています。大作だからといって気負うことなく、自然体で臨んでいたようですね。10代半ばにして既に大女優の風格が漂っています。
(日本映画専門チャンネルで鑑賞)