温泉街に近い山間の街道を走るオンボロバスの車掌さん(バスガール)のおこまさん。彼女と運転手さんがバスに乗客を呼び込もうと努力する姿を描いた作品で、原作は井伏鱒二、監督は成瀬巳喜男、主演は高峰秀子、共演は藤原鶏太(鎌足)、夏川大二郎、勝見庸太郎等です。
(1941年度:東宝)
名監督・成瀬巳喜男と名女優・高峰秀子。この二人は名コンビとして数々の名作・秀作を生み出しましたが、その記念すべき初タッグ作品です。車窓から見えるのどかな景色に風情があり、適度にユーモアのあるストーリーが展開され、ラストの悲哀が余韻を残します。ちなみに原作タイトルは『おこまさん』ですが、わざわざ『秀子の…』という冠タイトルにしているところに、国民的アイドルだったデコちゃんの当時の人気ぶりがうかがえます。
(日本映画専門チャンネルで再鑑賞)