音楽が流れた。
扉が開いて、スタッフさんの合図で
練習したように歩く。
小さな声で1・2と父と二人で掛け声をかけながら歩く。
格好がつかないが、息を合わせる為には仕方ない。
産まれてこのかた、父と何かを成し遂げたことはない。
生まれて初めての共同作業で、多分、最後の共同作業になる。
家族が席に座って、注目している中
夫のところに着いた。
父の腕から離れて、夫が私の手をとる。
夫の顔を見て、一発で分かった。
これは、ものすごく緊張してるな。
動きもスムーズとは言えない。
笑えてきた。
音楽は生演奏だった。
意外と私は落ち着いていた。
そして、夫と二人で神父さんに向き合った。