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(3点/5点満点)
30~50代の上司や先輩世代の方々に向けて、若者の深層心理を分かりやすく、面白おかしく解説します。
本書では、博報堂生活総合研究所が実施した「若者30年変化」の調査結果から多くのデータを引用しています。
・今の若者の大半は、上司に情熱やリーダーシップなど求めていない。むしろ、そんなものがあったら、自分も仕事をがんばることを求められてしまう。そんなことよりも、個性を尊重し、ありのままを受け入れて偉いと褒めてくれる職場と上司が理想。(P26)
・肩ひじ張らない働き方を志向する人は、若者だけでなく上の年代でも多い。仕事に対してやりがいやおもしろさは以前ほど求められなくなった。30年前の若者たちは時間の経過とともに丸くなったが、今の若者は最初から丸い。(P64~65)
・今の若者たちの間では、上の世代との飲み会はもちろんのこと、同世代の飲み会も実はイマイチという人が半数強という状態。(P112)
・恋人同士による消費が減少したというよりも、「友達以上恋人未満」の男女による恋愛的消費が減少した。近年盛り上がっている推し活に関連する消費の一部には、当時の恋愛的消費の要素が引き継がれている。(P179)
・何となく世間に浸透している「今の若者はエコ意識が高い」という先入観は間違っている可能性が高い。可処分所得が他の年代よりも低い若者の中では、環境保護を考えたり、割高でも環境に良い商品を購入したりする人は限られる。(P193)
・今の若者の世界では、自分にごく近い領域以外の社会全体が他人事化しているのではないか。自分と近い界隈への強い関心と、その外の社会への無関心。外の世界であるがゆえに信用せず、警戒対象となる。そうなると、エコ消費だってフリーライドしようと考えて当然なのかもしれない。(P213)
ごく親しい同性の友達の輪の中では、はしゃぎ喜ぶ姿が見られるが、一歩この外に出ると、びっくりするほどプラスの感情を見せない。
そんな若者の姿は、同質性の高い社会の中で、心の平穏をみんなで担保し合う表れかもしれません。

