JACROW「地の面」を観に行きました。


前々から観たいと思っていたJACROWを観劇。


地面師と聞けば、積水ハウスが盛大に騙された品川の一等地の件を思い出す。

この作品も、モデルはその事件だった。

後で調べて知ったのだが、事件後の社内紛争も実際に積水ハウスで起きた事と知って驚愕。

後日談はこの作品のフィクションだと思っていた。


ステージ上には廃墟のような部屋。

窓から薄日がさしている。


オープニングで始まる椅子取りゲーム。

不動産のマネーゲームをなぞらえているのか、社内の権力闘争をなぞらえているのか…?

「世界経済はゼロサムゲーム」という、昔習ったことを思い出す。

座れる椅子には限りがある。


この椅子取りゲームだけでなく、象徴的なシーンは多い。

例えば、契約成立の段になった時にネギを持って踊る。

渋谷川にいるカルガモを見つける場面の後で、「カモネギ」なうえに「踊らされて」いるのだ。

なんとも、社員たちの状況を端的に表現していると思った。


登場人物の名前が戦国武将だった。

オダにアケチと来れば、まぁなんか起こる予感しかない。


事件後の社内政治は、細かい部分まで事実と同じかは分からないが、ああいったトカゲの尻尾切りはあってもおかしくない。

ひっそり左遷人事があったり、ひっそりマイナス評価がされたり、ひっそり会社を去らざるを得ない人がいたり。

表に出ないだけで、いろいろ起きたであろうことは想像に難くない。


⚠️以下はネタバレが含まれます。



取締役会で返り討ちにあったオダ会長。

転んでもただでは起きないタイプだったようで、森を連れて起業する。

強い人は強い。


不動産の世界に詳しくないので不思議だったけど、偽の書類でも仮登記まではできるんだね…。


内容証明郵便が届いた後、なぜ偽物(詐欺師)に「確認書」を取りに行ったんだろう?と違和感が…。

行くなら差出人の方では無いのか?と思っていたら、これは伏線回収された。

事件発覚時に、森がそのことを指摘する。

これがラストのどんでん返し(実は法務部長が内通していた)に繋がる。


このオチはさすがにフィクションだと思うが、そうでもないと、会社が取った一連の不可解な方針は説明が付かず、さもありなんと思ってしまう。

実際は、業界内で注意喚起が出ていたり、担当者に忠告があったりと、少なくとも9回は気付くことができたタイミングがあったそうで、なぜ突き進んだのか、もっと謎が深い。

支払いが振込ではなく小切手だったのも、そうだろう。なぜ大企業がマネロンを疑わなかったのか…。

事実は小説より奇なり。

(了)


秀光常務、イチローさんに似てるなぁ…。

終演後、キャストの方が物販に立っておられた。働きますなぁ…。


脚本・演出:#中村ノブアキ さん


出演:#芦原健介 さん/ #狩野和馬 さん/ #小平伸一郎 さん/ #佐藤貴也 さん/ #谷仲恵輔 さん/ #佃典彦 さん/ #中野英樹 さん/ #平塚直隆 さん/ #星野卓誠 さん


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