M&Oplays プロデュース「帰れない男~慰留と斡旋の攻防~」を観に行きました。


M&Oplays プロデュース「帰れない男~慰留と斡旋の攻防~」を観に行きました。


場内に入ると、和洋折衷な感じのレトロな内装の洋館がある。

手前に洋間、部屋の奥は中庭?その向かい(更に奥)に障子の間。

落ち着いた雰囲気で、こんな旅館があったら泊まりたい…。


季節は夏なのだろう。床にうちわが置いてある。


客入れのBGMはピアノ曲(クラシックに詳しくなさ過ぎて何の曲か分からず)。


この作品は…サイコスリラー?

腹の探り合いみたいな会話が続く。序盤少々眠くなってしまったために、やや迷子に…。

三角関係がグルグルする。

でもストレートに想いを口にしたのは一人だけで、後は匂わせの連続で言葉の裏を読み合う感じ。

煙に巻くような曖昧さがつきまとう…。


⚠️以下はネタバレが含まれます。



馬に轢かれかけた若い女を助けた小説家の男。お礼に、その家に招かれたところから始まる。

若い女にはかなり年上の夫がいるが、どこか思わせぶりな態度を見せ、男は興味を持つ。

家には主人に憧れている居候と、女中がいて、帰ろうとする男を引き止める。

帰らない男を心配した友人が迎えに来るが、その頃には帰ろうとせず状況を楽しんでいる。

「旦那様は嫉妬しつつも、自分ら二人がどうにかなれば良いと思っている」等と分析する。


旦那様は二人の微妙な関係に勘付いているのか、カマをかけるような事を言う。

山崎一さん演じるこの家の主人が放つ言葉が、さり気ないホラーで震える…😱


男を迎えに来た友人もまたややこしい。

彼は男の妻が好きで、別れて自分に譲ってほしいと迫る。

彼らには、もう1人友人がいたらしい。クボさんというその人は、男との三角関係で自死したようだ…。


旦那様もややこしい。

先妻が病死してから人が変わってしまったと、女中は嘆く。元の旦那様に戻ってほしいと言う。


やがて男は、帰ったふりをして屋敷に潜む。

女もその3日後に姿を消すが、彼女もまた屋敷内に潜んでいた。

二人は嵐の中で遭遇し、手を取る。

道ならぬ恋が成立して終了?と思いきや、暗転後、雪が舞っている。


男が半年ぶりに屋敷を訪ねて来る。

かつてここで書き始めた本が出版され、大広間で祝いの席が催される。

半年ぶりの再会のはずなのに、女は男の友人に「結婚するんですって?」と尋ねてしまい、近況を把握している(男と会っていた?)ことが全員にバレる。


女と女中の諍いに、男は急にキレる。

「先に自分の思い違いを疑え。君はいつもそうだ」と叱りだす。

(なんだ、なんだ…?!家を出てから知ることができなかった彼女の日常を見て、嫉妬したのか?🤔)

これを聞いた主人はフラフラと部屋を出て行く。

クボさんに続き、旦那様が三角関係による犠牲者に…。男が妻を叱ったことで何かに気付いたらしい。

スッキリ分からないまま終幕。


女の歩き方があまり上品ではないなぁと思っていたら、旦那様が「家内は教養が無い」と言っていて、所作が荒いのはそのせいかと納得。


ほぼ全員が言葉に含みを持たせた発言をするのだが、表情は雄弁だ。この辺の芝居がみんな上手かった。

林遣都さんの目線の使い方が興味深い。感情を表現するためにかなり細部まで練られていたな、という印象。


作・演出:#倉持裕 さん


出演:#林遣都 さん #藤間爽子 さん #柄本時生 さん #新名基浩 さん #佐藤直子 さん #山崎一 さん


#帰れない男

#舞台観劇

#観劇記録