オフィスリバープロデュース「お目出たい人」を観に行きました。


開場して入ると、ステージには事務所みたいな一室。

「漂う、傍観者ども」のポスターが貼ってある。それどころか、壁には演劇のポスターがたくさん。「ガス灯は檸檬のにほひ」「夜は昼の母」とか。


始まると、ここは芝居の稽古場だと分かる。

 

流れはとても面白い。何度も笑った。

しかし物語は進まない。ほぼ何も起きないまま終わる。

これは、その場の時間の経過を楽しむ作品なのだと思う。


亡くなったヨネダさんと生前付き合いのあった人が集まる。

香典を納め線香をあげたら帰ろうとする人も、帰るに帰れなくなる。


結局ここに集まった人はみんな優しい。 

仕事があっても残るし、ヨネダさんが滞納した家賃や返済できないままの借金もみんなで負担しようと言う。


渡辺哲さん、カワイイ。

とてもカワイイおじいちゃん。


渋川清彦さんの歌、カッコよかった。

渡辺哲さんは歌詞間違えてたけど、歌上手かった。

那須凜さんが歌う浅川マキさんの「夜が明けたら」。こっちが覚えそうなくらい冒頭をリピートする🤣


中島さんの日本語の中国訛がめちゃくちゃ上手いなぁと思ったら、どうやら本物だったようだ。


序盤に名札を配ったり、献杯するシーンで李丹さんの手が震えていて、緊張してるのかな?と思う。

しかし終盤で野口のセリフに「アルコールで手が震える」とあって、もしかしてあの手の震えは何かの伏線かな?と思い直したけど、結局何も無かった。

ただ緊張していただけだったようだ。


終盤で、ヨネダさんについて「友達なんていない。酒だけが友達だった」と言うシーンがある。

たしかに、みんな飲み友達とか仕事の関係者とか、友達よりも薄い関係。

だけど、通夜にもやって来て、借金も肩代わりしようと言うんだから、もう十分ではないだろうか。

ヨネダさんは人に恵まれたんじゃないかと思う。


ヨネダさんには高校生の息子がいる。

ヨネダさんが撮った取材写真と思われた炊き出しの写真は、息子を撮ったものではないかと推測する面々。

「息子を探そう」と、それぞれが1枚ずつ写真を懐に入れて持ち帰る。


そして結局、次の日の葬儀にも全員やってくる。優しいな…。

出棺するところで幕。


劇中で大分のブルーバード劇場の照さんのお話(ドキュメンタリーを撮ったとして)が出てきたけど、これはもともとの脚本にあったのかなぁ?

初演が1990年代だそうだけど…。


外に出たら荒川良々さんがいた。観に来ていたようだ。


作・演出:#水谷龍二 さん

出演:#渋川清彦 さん #李丹 さん #崔哲浩 さん #那須凜 さん #川手淳平 さん #渡辺哲 さん


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