赤堀雅秋プロデュース「ボイラーマン」を観に行きました。


客入れの音楽はJ-POPのヒット曲。
入ったときにはSpecialzが流れていて、テンション上がった。

路地をすれ違う人たちに、ほんの数時間の間に起こる心境や行動の変化を描く。
定点カメラでその場所を捉えているような、ファンタジックなドキュメンタリーという感じ。

クスッと笑ってしまうセリフや状況が多くて、客席からは頻繁に笑いが起きていた。
笑いとともに時間が経過していく。

でんでんさんが、超意外な所から登場してビックリした。

⚠️以下はネタバレが含まれます。
 

路地に電話ボックスがある。
老人は、道に迷った会社員の男(ボイラーマン)に言う。
「消えたくなったらそこに行け。必要無い物はみんな見ないから、隠れられる」

キャバ嬢(たぶん)とファミレスの店長。
店長が30万を超える額の指輪をプレゼントしようとすると、「お店でお金を使って」と断られる。
しかし、最終的には二人でおでんを買ってこの路地に帰って来る。
お店ではなく、彼女の家で飲む。キャバ嬢とお客さんの関係ではなくなった。

ゴミ置き場でボイラーマンがタバコを吸っていると、「みんな、なんでここで吸うの?」とイライラしているマンション住人の女性。
警官から「奥さん」と呼びかけられ、「独身です!」と返す。
彼女はだいぶ、生きづらさを抱えているようだ。
そのイライラが頂点に達して、住人が分別しないで放り込んだゴミをぶちまける。
すると、そこにいたみんながゴミを片付ける。きちんと分別する。
イライラを救われた彼女は泣き出す。
少しだけ、生きやすくなったのかなと思う。

喪服の男(喪服の女の恋人)は、マンションの女を飲みに行こうと誘う。
「アンタ、綺麗だな」
着替えて戻ってきた彼女は、彼が泣いているのを見て部屋に帰ってしまう。
それまでの部屋着から、せっかくカワイイ格好に着替えたのに…。
そして彼は、待ち合わせたことも忘れて去って行った…。

喪服の女性は、失くしたピアスの片方を探している。彼氏に殴られたこの場所で落としたと思う、と。恋人とはあまりうまくいっていないようだ。
ボイラーマンはピアスを探しながら、彼女と一緒に住宅街を歩き回る。なんでもない二人の深夜の散歩。
二人は心を通わせたのだと思う。
「1分だけ、30秒でいいから」と二人は寄り添うが、公衆電話が鳴り出して我に返る。
冒頭で「誰も気にしない存在」と言われた電話が鳴る。
彼氏が迎えに来て、後ろ髪を引かれながら女は去った。二人はもう、会うことはないだろう。

最後に残ったボイラーマンも、拾って持っていた野球ボールをそっと置き、去った。
(了)

放火犯がこの中にいるのかな?と思ったけど、いなかった。

ボイラーマンと老人の、落ちていた財布を巡る争いが面白かった。
どういうわけか、財布を見つけたのは自分だと、二人してめちゃくちゃムキになる。
老人の理屈がハチャメチャなんだけど、勢いで納得してしまいそうになる😆
ここの、田中哲司さんとでんでんさん、良かったなー。

客席にケラさんぽい人がいるなーと思ったら御本人だったようだ。

作・演出∶#赤堀雅秋 さん

出演∶#田中哲司 さん #安達祐実 さん #でんでん さん #村岡希美 さん #水澤紳吾 さん #樋口日奈 さん #薬丸翔 さん #井上向日葵 さん 赤堀雅秋 さん

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