新国立劇場 25周年記念公演「レオポルトシュタット」を観に行きました。

 

ステージが基本形から大きく変わっていた。
客席1列〜9列までを潰し、前面にせり出している。
先日世田谷パブリックシアターの劇場ツアーで「ダンスの公演でよく使われる形」と聞いた。

20世紀初頭のオーストリア。
先日観た「エリザベート」の時代(末期)ではないですか。
あちらでも、ナチスの発足とユダヤ人排斥がチラリと出てきた。
こちらはそれがメイン。

冒頭はパーティー。
キリスト教の祭りとユダヤ教の祭りを祝う。一族の中に両方の信仰があるから。
それにしても、マシンガントークな一族だなぁ…🤣

落ち着いた雰囲気の、瀟洒な家具や調度品たち。
これが時代を追うにつれてどんどん質素になっていく。
一族の衰退…。

時代の不穏な空気を感じ取り、皆が生き残るために手を打つ。
うまくいった人も、いかなかった人も…。

第5幕。1955年。
ここで一気に伏線回収する。それまでが大きな前振りだったかのよう。

レオとナータン。
かつて同じテーブルを囲んだ同年代の二人は、戦勝国民と敗戦国民に分かれた。
同時にユダヤ人であるという出生の意味も大きく異なっている。
イギリスへ脱出できたレオにとっては、それはたいした意味を持たず、イギリス国民であることが誇りだ。
対して、オーストリアに残り強制収容所を見たナータンは、尽くした国家の国民により迫害された経験で、国よりも民族を意識する。

しかし、レオの想いに変化が生まれる。

冒頭のメルツ家のパーティー。
ラストでは、そこに集う家族の最期が語られていく。


岡本玲さんのピアノは、当て振りじゃなくてホントに弾いていたもよう…。

子役の子供たちが、いかにもなお芝居じゃなくて、自然に子供を演じていたのがとても良かった👏👏

翻訳は広田敦郎さん。
4月に上演していた「セールスマンの死」も広田さんだった。
日本では馴染みの薄い、ユダヤ教の儀式やキリスト教との違いがストーリーに入っているので、なかなか難しい脚本だったと思う。

作:トム・ストッパード
翻訳:#広田敦郎 さん
演出:#小川絵梨子 さん

出演:#浜中文一 さん #音月桂 さん #村川絵梨 さん #土屋佑壱 さん #岡本玲 さん #木村了 さん #浅野令子 さん #那須佐代子 さん
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