舞台「私の一ヶ月」を観に行きました。

 

この作品は、シリーズ企画【未来につなぐもの】の第一弾にあたるそうです。

舞台美術が良かった。
ステージ上に、ブロック分けされたような、不思議な仕切りがある。
ストーリーが進行すると、背景がどんどん削られていって、仕切りもバラされて、最終的にガランとした舞台になる。

3箇所でストーリーが展開する。
ステージの右・中央・左でロケーションが分かれている。

向かって右:アユの実家。昔(16年前)と今を行ったり来たりする。
中央:祖父母が営むコンビニ店。こちらも昔(16年前)と今を行ったり来たり。
向かって左:大学の図書館。こちらは現在のみ。

場所と時代がくるくる変わるので、今展開しているのは、いつのどこなのか把握するのが少し大変だった。

中央のコンビニ。
お客さんはいつも同じ人。このお客さんが来るのは過去の出来事らしい。

右の実家で、「アユは3歳」という発言があり、ここで、大学生のアユがいる左の図書館は、現在だけのロケーションだと分かる。

そして、3箇所にいる人々は、なかなかクロスしない。

最初に交差したのは、中央のコンビニ客。右の家に入った。

⚠️以下はネタバレが含まれます。


コンビニの客はオーナーの息子。

彼を失った人々の、葛藤や苦悩、そして赦しがテーマ。
・あの日レジを使えなくしてしまったから。
・あの日「いてもいなくても同じ」などと言ってしまったから。
・過重労働に気付いてあげられなかったから。

本当の事は分からない。
分からないから、皆が、自分を他人を、責める。
3歳だったアユでさえ、自分のせいではないか?という思いが頭をよぎる。

17回忌で、ようやく相手を赦し、赦されたいと思えるところに至る。

作品のタイトルは、アユが母のために、母の日記帳の空いたページに書いた散文詩のタイトルより。
この日記は、時系列を越えた母と娘の手紙のようだった。

作:#須貝英 さん
演出:#稲葉賀恵 さん

出演:#村岡希美 さん #藤野涼子 さん #久保酎吉 さん #つかもと景子 さん #大石将弘 さん #岡田義徳 さん

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