KERA CROSS 第五弾「骨と軽蔑」を観に行きました。
客入れのインスト曲が不協和音ぽくてカッコイイ。
ホワイエでスマホの電波が入らず、1階まで戻ったのだが、客席に入ったら電波があった。
普通は逆なんだけどな…🤔
芝居上手なキャストたちによる会話劇。
宮沢りえさんと小池栄子さんが、今までに見たことがない感じだった。いろんな引き出しがあって、上手いなと思う。
宮沢さんと鈴木杏さんの、張り合う姉妹の感情のやり取りも見応えがあった。
美術が面白い。
中庭のような、室内のような…。
樹や草が生えていて、ブランコがぶら下がって、納屋があって、一見すると庭。
でも同じ空間に、ダイニングセットやフロアランプ等のインテリアが置いてあって、シャンデリアも下がっている。
この空間は、屋外になったり室内になったりした。
その曖昧さを逆手に取って、「今、庭にいると思ってた(それなのに、室内にいることになっている)」というセリフまで登場する🤣
家政婦のネネさんが、現実と物語の世界を繋ぐ。時折物語を抜けて、我々「日比谷にいる未来の人たち」に話しかけてくれる。
「日比谷の人には分からないかもしれないけど」「今、日比谷の人に説明してたのよ」
休憩の合図まで出してくれた。
後半ではナッツもその役目をやる。
峯村リエさん演じる母・グルカは、どことなく「桜の園」のラネーフスカヤのよう。
終盤の展開に、不条理劇を感じた。
⚠️以下はネタバレが含まれます。
西と東に分かれて内戦をしている。
西で軍需工場を経営する一家の物語。
成人男性はみんな戦地に行って死んだり負傷していて、いよいよ残された女性や子供も徴兵される状態になっている。
グルカは願い事を一つ選ぶ。
「戦争を止める」という提案は却下して、「幸せにして」と。
遠くの戦争よりも目の前の自分の幸せ。世のほとんどの人はそんなものだろう。
彼女は、夫の暴力に怯え、生活も苦しいのだ。
一匹の虫を救って得た幸せと、三匹の虫を死に追いやってもたらされた懲らしめ。
軍需工場の社長秘書として、商品である武器のテストを淡々としていたソフィー。
徴兵され戦地へ赴く段になり、爆撃に怯える。
身に迫らないと怖さも痛みも感じられない。
彼女たちの工場は、密かに東にも武器を売っていたという衝撃展開。
自分の利益のためなら、なりふり構わなくなるのが人間なのか…?
徴兵から逃げ行方をくらましたマーゴの夫。
彼は人間らしさを失ってはいなかった。この一家の良心。愛する人たちに助けを出した。「すぐに逃げろ」と。
そして、東の襲撃が始まる。
使われている武器はきっと、自分たちが作って売ったものだろう。それに滅ぼされるという皮肉…。
(了)
「骨と軽蔑」は、マーゴが書いた小説のタイトルだった。
耳から骨が出てくる話。なんだかホラー…🧟
カーテンコールは3回。
峯村さんが客席に向かってポーズ👍
知ってる人がいたのかな?
廣川三憲さんが声の出演をしているとポストしていた。
第1幕のラジオだった。第2幕は違う人の声に聴こえた。
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:#宮沢りえ さん #鈴木杏 さん #犬山イヌコ さん #堀内敬子 さん #水川あさみ さん #峯村リエ さん #小池栄子 さん
#骨と軽蔑
#舞台観劇
#観劇記録