「インヘリタンス-継承-」(後篇 3回目)を観に行きました。


「癒やすか、燃やすか」

この作品には火がよく出てくる。

燃やされる遺言。

売らずに燃やすタッカーの作品。

受け継いでいくキャンドルの灯。

「燃やす」は「癒やす」と対極。


エリックの結婚式にジャスパーの姿は無い。やっぱり共和党員と友人になるのは無理か…。

ヘンリーが共和党を支持するのは「ロータックスと自由な経済活動を信じている」から。

まぁ、彼は実業家だから。


ジャスパーは、ヘンリーに富を差し出せと言うが、アメリカは社会主義国家ではないから、それは無理があると思った。

同時に、エリックがヘンリーに「一人の面倒をみるくらい、お金持ちだから簡単でしょ?」と言うけれど、自分のお金でもないのに、それを言ってしまうのはタカリでは…?と思う。

金持ちは援助する義務があるわけではない。あくまで善意。

たとえエリックの大切な人だとしても、義務ではない。

「私は君の知り合い一人一人を救わないといけないのか」

そんなことしてたら、親戚増えそう。


「トビーは前に進むしかない。でも、どうしたら良いかわからない」

トビーの苦しみが分かる言葉が刺さる。


ブロードウェイのプレビュー初日。

この作品の自分はニセモノで、虚勢を張った成れの果てだと気付き、いたたまれなくて逃げ出すトビー。


やっと書けた本当の自分の物語は、トビーにとって大きな意味があっても、商業的には無かった。

「お金も家もどうでもいい」

エリックだけは理解した。


「ここにいたら傷つけてしまう、何度も何度も…。愛した二人を」

最後の選択が切なすぎて苦しい。


やはり、ラストシーンの演出が良い。

トビーはステージを下りて闇に消えていく。

「物語を下りた」という意味なのだろう。

物語は、他の人たちが継承していく。

(了)


レオがマイケルの墓参りに行くシーンで、新原泰佑くんが間違えて「レオの墓」って言っててちょっと笑ってしまった。

死んでないし、自分だし😆


昨日は上手のロープが途中で切れて、演出だと思ってたけど、ハプニングだったらしい。今日は切れなかった。


今日はカーテンコールの撮影がOKのはずなのに、1階席、2階席を見渡したけどスマホを構えている人がほとんどいない。何の合図もなく、2回で終了。

え?え?!

混乱する客席。

しばらくすると、キャストがぞろぞろ出てきて、バツの悪そうに福士誠治さんが「撮影タイムを忘れて、はけてしまいました」と…。

あらためて、撮影タイム。







その後、アフタートーク。

自己紹介の後、福士誠治さんの司会でトーク開始(以下、敬称略)。


・台本をもらったときの感想は?

新原∶2冊は初めてだった。前篇が赤、後篇が白。

福士∶おめでたい色なんだよね。

田中∶(セリフ量が多くて)マジで参った!

山路∶今までで一番長い作品。台本開けるのに勇気が要って、正月やろうと思って開けられず…奥さん(朴璐美さん)に相手してもらってやってみたら、「アナタ、正月何やってたの?!」って怒られちゃった😅

普段あまり知的な役をやらないから、討論のシーンは丸暗記。間違えるとごまかすこともできない。討論のシーンは怖い。

福士∶新原くんは山路さんのファンなんだよね?

新原∶僕はアニヲタで「青の祓魔師」観てるけど、稽古場でも山路さん、Netflixでも山路さんの声を聞いてた。


・大変なところは?

田中∶最後のモノローグは台本で6ページ。

福士∶俳優だと、それは台本閉じるパターン😆

新原∶立ち稽古が1月4日か5日にスタートした。誰も台本を手に持っていなかった。自分は小道具で本を抱えてるからカンペとして持ってたけど、誰も開かないから自分も見なかった。


・演出の熊林さんはどう?

田中∶新鮮だった。発想に驚く。

新原∶「ブリッジしながら喋れる?」って聞かれた。

会話する登場人物でラインを作る。会話にいない人も客席から視界に入るようにしている。

山路∶前にチェーホフを一緒にやった。その時のキャストから「(這いつくばったりするから)膝と肘のサポーターを買ったほうがいい」とアドバイスがあった。

熊林さんに聞いたら「年寄りにはさせない」と。

福士∶トビーをビンタするシーンは台本になくて、自分で考えた。稽古で見せたら熊林さんが「ビンタ得意だよ」と言って、なぜか僕に2回ビンタした。

新原∶見てた。

福士∶たしかにいい音してた。


山路∶舞台上に何もなくて、さらし者になる感じ。逃げ場がなくて、緊張する。

福士∶山路さん、出はけが覚えられなくて、違う方にはけて行ったりする。今日は一緒に袖にいたとき、出ていこうとしたのを止めた。早く行こうとしてた。

山路∶昨日は押された。遅くて。

新原∶このステージ、二段目と三段目が斜めになっていて、それぞれの真ん中(センターの位置、ゼロ番)が違ってて、わからなくなる。

いる位置が細かく決まってて、間違えると噛み合わなくなる。


・マイブームとか、愛してるものは?

(この時だと思うけど、田中くんと新原くんがどっちが言う?って顔見合わせてキャッキャしてたら、福士さんから「イチャイチャしないで!」とツッコミ)

田中∶観葉植物。朝一番にやることが水遣り。

福士∶名前は?

田中∶ええと…ええと…

福士∶愛してるのに出てこないの?🤣

田中∶エバーグリーン…!

新原∶猫🐱。白猫飼ってて名前はシラタキ。漢字(白滝)。高校生のときから飼ってて。

福士∶山路さんが「高校生?!」って。

福士∶(猫が長生きなわけじゃなく、新原くんが)若いからね。

新原∶今23です。

山路∶うちも猫2匹。スビチョフスキーとルリチョフスカヤって名前(?合ってるか不明。追記∶スヴィッチョフスキー)。

田中くんと同じで昔、観葉植物もあった。

福士∶僕も観葉植物あります。サンスベリア。けっこう大きくなって、そろそろ鞍替え?しないと。

新原・田中∶鞍替え!🤣言いたいことは分かる。


田中くんと新原くんは同じ楽屋。

新原∶終わると二人で「はー💨」ってなる。その後、ここはこうだったね、とか話してる。

山路∶真面目な楽屋だね。

ヘンリーはほとんどエリックとしか会話してなくて、トビーとは1回だけ。レオとは2回きり。ウォルターとも最後だけ。

福士∶ウォルターの椅子にふーってする(もたれかかる)ところ、好き。

山路∶今日、最初のセリフ間違えたから、うーって(うなだれた)。

新原∶僕も今日、間違えたと思う。(←私でもわかったよ…🤣)


・身体を鍛えたりした?

新原∶「細マッチョ」って描写があるから実際に登場してデブだとマズイと思って、食事制限してる。プロテイン飲んだり。

田中∶(レオの)首絞めと(エリックの)ビンタが日に日に強くなってる。

山路∶俺も脱ぐのか(熊林さんに)聞いたら、いやいや…って、残念(笑)


最後にひとこと

福士∶まだ公演あるので、みんなに広めてほしい。

新原∶6時間半、そんなに長く感じないと思う。伏線がいっぱいあって、2回目以降も発見があると思うから観てほしい。

田中∶やっていて楽しい。舞台上のエネルギーがお客さんに届いていると思う。

山路∶男ばかりだけど、恋愛ドラマ。(作者の)マシューさんも観て喜んでくれた。日々晒されて鍛えられている。


作:マシュー・ロペス

(E・M・フォースターの小説「ハワーズ・エンド」に着想を得る)


演出∶#熊林弘高 さん


出演∶#福士誠治 さん #田中俊介 さん #新原泰佑 さん #柾木玲弥 さん #百瀬朔 さん #野村祐希 さん #佐藤峻輔 さん #久具巨林 さん #山本直寛 さん #山森大輔 さん #岩瀬亮 さん #篠井英介 さん #山路和弘 さん #麻実れい さん(後篇のみ)


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