TAAC「かわりのない」を観に行きました。
「かわりのない」は、「変わりの無い」なのか、「代わりの無い」なのか、なんだろう?とか、考えながら劇場へ…。
場内に入ると、これはまた…すごい舞台美術だ。
奥の傾斜がすごい。
これを八百屋舞台として使うのか?
ステージは3段になっていて、一番奥は急斜面 かつ 登りきった所が平面になっている。
中央の段は、緩やかな斜面(真ん中に四角い穴)、一番手前はほぼ平面で、椅子がいくつも積み上げられている。
客席には、工事現場で重機が動いているような音が響いている。
時折、電車が通過する騒音がする…。
面白かった!
ストーリーが進むにつれて、あらすじで読んでいた内容から、意外な展開をみせた。
募金の話、どこ行った?!
別の話が出てきて、主軸を奪っていった。
ビックリした。
1組の夫婦に訪れた気持ちの変化。
そこに影響を与えたのは、ある夫婦と、ある親と、ある子ども。
一見関わり合いの無い4人の偶然が作り上げてしまった出来事だった。
⚠️以下はネタバレが含まれます。
観終わって、「かわりのない」は、「代わりの無い」だろうと思った。
客入れのときに響いていた重機と電車の音。
これもラストへの伏線になっていた。
訪ねてきた刑事に、息子が亡き後も治療費の募金を続けていたことを告白する田代夫妻。
罪だと分かっていたが、それを生きる目的にしていたと…。
しかし刑事がやってきたのは、その件ではなかった。
それぞれの優しさの連鎖が悲劇へと繋がっていく。
どこかで止まっていたら…と思うとやりきれない。
この世に存在する以上、みんな誰かの子ども。
なのに、妻や夫や父や母という肩書きを手に入れると、それを忘れてしまうのだろうか…。
真相が明らかになるときの、5人の芝居がすごかった。
叩きつけていた椅子を、最後はそっと置いて去る橋爪医師の後ろ姿が寂しい。
総じてとても良かったが、たった一つ、残念だったことがある。
舞台奥に座ってセリフを言うときは、声を張って…!
言葉を、一番後ろの席までしっかり届けて…!
直前のシーンが非常に良かっただけに残念💦
もう何回も拝見している清水優さんと廣川三憲さん。
清水さんは、月曜のYouTubeのコメントでは不安げだったけど、そんな感じは微塵も無く、本番強いのはさすが。
廣川さんは、スズナリでナイロンの作品をやったすぐ後、新国立劇場で山崎育三郎くんのミュージカルに出てて、振り幅にビビったことがある。
日々Xに載せる手料理の写真がめちゃくちゃ美味しそうなのだ。
傾斜を降りてくる時、足元大丈夫かな?と心配してしまった。
怪我だけは無きよう…🙏
作・演出∶#タカイアキフミ さん
出演∶#荒井敦史 さん #異儀田夏葉 さん #清水優 さん #納谷健 さん #北村まりこ さん #廣川三憲 さん
#かわりのない
#舞台観劇
#観劇記録