二兎社公演47「パートタイマー・秋子」を観に行きました。
もぎりの人が頭に牛🐮をつけていて、カワイイ。
場内にもエプロンに豚🐷をつけた人がいた。
こういう非日常感があるとワクワクする。
明らかに、さっきまで仕事をしていた私の世界とは違う所に足を踏み入れたんだ、と実感する。
以前は劇場という空間そのものに非日常を感じたが、週に2,3日通っていると、だんだん失くなってきていた。
ステージには古い事務所の一室。
M&Oplaysの「リムジン」とか「エダニク」の美術に似ている。
不二家ペコちゃんの2023年カレンダーが貼ってある😜
沢口靖子さん。暗転ではける様が優雅だった。カーテンコールのお辞儀も上品✨
豚の被り物が似合ってて可愛かった。
生瀬勝久さんのお芝居はさすが!のひとこと。
秋子さんのパート勤務初日からスタート。
明らかに歓迎していない先輩パートたちが、あからさまに不快な態度を示し、無視を決め込む。辞めてもらったほうが好都合とばかりに…。
私ならその場でお望み通り辞めたい…。
⚠️以下はネタバレが含まれます。
不思議な戯曲だった。
勧善懲悪的な展開にはならない。
"朱に交われば赤くなる"
ゆっくりと、人が正義を手放す様(言動が変わっていく様子)を描いている。
パート従業員はみんなモラルが低く、不正と理不尽のオンパレード。
商品をくすねるのが常態化しているが、副店長(パート)だけは、みんながエスカレートしつつあることをマズイと思い始め、距離を置こうとしている。
「こんなの、良くないです」
秋子さんはパートたちの窃盗に反発するが、貫井さんの「そのうちなんとかするから、今は黙っていればいい」という言葉に黙認する。
唯一まともに見えた店長(社員)。
秋子さんに「辞めたオミくんの代わりに精肉担当になってほしい」と頼み、そこでリパック(消費期限の偽造)を指示する。
オミくんは、一見やる気の無い若者に見えたが、「こんな事をしていても将来が無い」と店長に言ったのは、仕事がつまらないという意味ではなく、不正がイヤだったのだ。
まともな人は逃げ出していく。
前職の部長を引きずったまま偉い人然として働く貫井さんと、お掃除にせいを出す小笠原さん。
この二人はまだ、不正なことをしていないように見える。
ここまでが第1幕。
第2幕。
歌🎤からスタート。
「夏の扉」が「店の扉」ですと?🤣
ここはめちゃくちゃ面白い!
「僕の正義はここにある」
店長の正義は売り上げと手柄。
そのためには人を裏切ることも何でも有り。
オミさんに続き、貫井さん、小笠原さんが耐えられなくて去った。
「恩田さんは、副店長に店長を譲る気はない」と、最後まで店長や秋子への抵抗を呼びかけていた春日だが、ついにシャッポを被る。ここにも「赤くなる」人が…。
彼女は人間的にはクズだが、この点に関しては彼女の見立てが正しく、店長は「究極の取引(店長を譲る)」を守る気はない。
秋子のその後が気になってやって来た貫井さんの言葉で、秋子は自分が変わってしまったことに気付く。
しかし、彼女は逃げない。
ここに留まり、自分がどこまで変わっていくかを見極める、と告げる。
この後も、店長の裏切りが発覚する等で、人間の悪意が渦巻くのが見えているこの職場。
逃げない(逃げられない)秋子さんは、このまま堕ちるところまで堕ちてゆくのだろうか…?
終演後、恩田店長のパネルがロビーに置いてあって、笑ってしまった🤣
作・演出:#永井愛 さん
出演∶#沢口靖子 さん #生瀬勝久 さん #亀田佳明 さん #土井ケイト さん #吉田ウーロン太 さん #関谷美香子 さん #稲村梓 さん #小川ゲン さん #田中亨 さん #石森美咲 さん #水野あや さん #石井愃一 さん
#パートタイマー秋子
#舞台観劇
#観劇記録
劇場スタッフさんに「頭の、カワイイですね」と声をかけたら「チラシのカチューシャです」とのこと😊
生瀬勝久さん。
舞台で観るのは初めてだったけど、セリフは聞き取りやすいし、噛まないし、間もリズムも臨場感があって、一発勝負の舞台でこそ、この方の真髄を見たなーと思う。
映像作品では、このスゴさは正直分からない…。